研究課題/領域番号 |
09671711
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
田辺 清男 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10101916)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 顆粒膜細胞 / 卵胞刺激ホルモン / MAPK / c-fos / jun B / protein kinase C / mitogen-activated protein kinase / protein kinase A / 増殖 / 細胞周期 / 訓MAP K / C-fos |
研究概要 |
顆粒膜細胞の増殖・分化が卵胞発育の必須条件であり、主として卵胞刺激ホルモン(FSH)によって司られている。FSHの顆粒膜細胞内刺激伝達経路はprotein kinase A(PKA)系とPKC系が知られているが、細胞増殖にはtyrosine kinaseを介したmitogen-activated protein kinase(MAPK)カスケードが重要である。そこで本研究は、細胞増殖や分化に関わるearly immediate geneの内のc-fosとjun family遺伝子に着目して、それらが顆粒膜細胞内でFSHによって発現されるか、またそれに至る経路は何かを、MAPK活性と共に、検討することとした。その結果、1.培養顆粒膜細胞においては、MAPK活性はFSH添加5分後より有意に上昇し、15分でプラトーに達した。またFSHの濃度依存性に増加した。PKC促進剤(PMA)を添加すると有意な活性の上昇がみられたが、PKA促進剤(forskolin、8-Br-cAMP)では有意の上昇はみられなかった。さらに、FSHと共にPKC阻害剤(staurosporine)を添加すると濃度依存性に抑制された。2.幼若雌ラットにPMSGを投与すると、30分後にc-fosとjun BのmRNA発現は有意に増加し、60分後にプラトーに達し、4時間後に前値に戻った。jun Dはやや増加するも有意ではなく、c-junはまったく発現しなかった。hCGを投与してもこれらの遺伝子の発現はみられなかった。3.培養顆粒膜細胞にFSHを添加すると、c-fosとjun B遺伝子発現は30分後に最高に達し、2時間後には元のレベルに戻った。PMAを添加すると有意に両遺伝子の発現は増加したが、forskolinでは有意ではなかった。FSHと共にstaurosporineを添加すると有意に発現は抑制されたが、PKA阻害剤(Rp-cAMP)では抑制はみられなかった。 以上の成績より、MAPKおよびc-fosとjun B遺伝子の発現はFSHにより有意に促進され、これらに至る経路はPKC系が関与していることが明らかとなった。
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