研究課題/領域番号 |
09671712
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
|
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
塚崎 克己 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40118972)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 子宮体癌 / 糖鎖発現異常 / 糖転移酵素 / 糖鎖遺伝子 / 遺伝子導入 / 生物機能 |
研究概要 |
I. 子宮体癌におけるI型糖鎖発現機序の解明 β1-3ガラクトース転移酵素(GT)、β1-4GT活性を選択的に測定する系を確立した。この測定系を用いて、子宮体癌株、子宮頚癌株、卵巣癌株を酵素源としてβ1-3GT、β1-4GT活性を測定したところ、子宮体癌株ではI型糖鎖を合成するβ1-3GTがII型糖鎖を合成するβ1-4GTに比べその活性が亢進していたことから、体癌でI型糖鎖が優位に発現する機序が明らかになった。逆にII型糖鎖の発現が優位である子宮頚癌株、卵巣癌株ではβ1-4GT活性がβ1-3GT活性に比べ亢進していた。 また、上記培養細胞を用いてβ1-4GTのcDNAによるNorthern blotting,、抗β1-4GTによるWestern blottingを行った結果、β1-4GTmRNAの発現やβ1-4GT蛋白の発現が、子宮体癌株では頚癌株、卵巣癌株に比べ著明に少ないことが判明し、癌化に伴う糖鎖発現の異常には、糖転移酵素遺伝子や糖転移酵素蛋白、糖転移酵素活性が密接に関連していることが明らかになった。 II. β1-4GT高発現株の生物学的特性の解明に関する研究 β1-4GTTcDNAを用いたNorthern blottingにて、β1-4GTmRNAの発現の少なかった子宮体癌株SNG-Mにβ1-4GTcDNAを導入し、β1-4GT高発現株を、またβl-4GTcDNAアンチセンスを導入したβ1-4GT低発現株を作成した。高発現株を用いて、糖鎖発現を薄層クロマトグラフィー免疫染色法にてmockと比較したところ、高発現株ではI型糖鎖であるLc3Cerの発現が低下し、II型糖鎖であるLe^xの発現が亢進しており、β1-4GTmRNAの導入により、細胞表面の糖鎖の発現に変化が起こっていることが判明した。さらに高発現株における細胞特性をmockと比較したところ、細胞倍加時間の短縮、細胞外基質への接着亢進、マトリゲルへの浸潤亢進が認められた。一方、低発現株ではラミニンへの接着低下が認められたことから、β1-4GTの発現が細胞増殖や細胞外基質への接着・浸潤能に関与する可能性が強く示唆された。
|