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受精成立における卵子・精子のインターアクション機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09671714
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 産婦人科学
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

末岡 浩  慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90162833)

研究分担者 土屋 慎一  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70276327)
篠原 雅美  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10276321)
吉村 泰典  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (10129736)
小林 紀子  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50276325)
黒島 正子  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20255508)
研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワードcell-free精子核脱凝縮 / ジスルフィド結合 / lysolecithin / dithiothreitol(DTT) / ヒストンH2B / プロタミン / tapering sperm / nucleoplasmin / cell-free脱凝縮 / Triton X-100 / Xenopus laevis / protamine
研究概要

精子核のcell-free脱凝縮実験系として(1)dithiothreitol(DTT)及びTritonX-100ないしlysolecithin-Tris塩を用いたcell-free実験系,(2)同期した卵を大量に排卵する両生類の卵の抽出液を用いたcell-free実験系の2系統の脱凝縮系を作製し,ヒト精子核膨化に関与する条併を検索し,又脱凝縮過程における核変化および受精過程においてヒト精子核膨化機構に関与する精子核タンパクについて検討した。
塩の存在(Na^+で1.0M以上),細胞膜の除去,ジスルフィド結合還元という条件を満たす,0.05%lysolecithin-5mM DTT-1.0M NaCl Tris溶液によるcell-free精子核脱凝縮実験系を用いて成熟精子核におけるヒストンの存在を示し,また抗ヒストン抗体を用いて蛍光下で膨化精子核の経時変化を検討した。
ヒト精子は,細胞膜の除去と核蛋白であるブロタミンのジスルフィド結合の還元のために5mM DTT-1% Triton X-100のTris溶液で処理して用いた。nucleoplasminを含むXenopus卵抽出液では比較的緩徐に脱凝縮を生じたが,0.5M NaClに調整したXenopus卵抽出液では極めて急速に脱凝縮に至った。nucleoplasminを介する脱凝縮は塩濃度に影響を受け,又精子形態により脱凝縮過程に相違があることが示唆された。
ヒト精子核を上記 in vitro 脱凝縮系で膨化させ,35%酢酸溶液により塩基性核蛋白を抽出した。抽出蛋白に対し,抗ヒトヒストンH2Bポリクローナル抗体を使用したWestern blottingによる検索では,精子形成過程で核蛋白のほとんどがプロタミンに置換されるという過去の報告に反し,相当量の抗ヒストンH2B抗体に結合する蛋白バンドが検出された。
抗ヒストンH2B抗体およびFITC標識2次抗体を使用して蛍光下で精子核の脱凝縮過程を検討した。脱凝縮に伴い,結合可能なヒストンの量に変化があったことが示唆された。しかし,精子形態により膨化に差を認め,tapering spermでは膨化の径の変化が有意に少ないことが判明した。
精子核はその成熟過程で核蛋白がヒストンからブロタミンに置換され形態的機能的にコンパクトとなるが,射出精子核にも相当量のヒストンを含有しており,また脱凝縮過程でヒストンの結合性に変化を生じることが示唆された。

報告書

(3件)
  • 1998 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (23件)

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  • [文献書誌] 末岡 浩: "精子核の膨化" 産婦人科の世界. 49. 33-40 (1997)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 末岡 浩: "初期胚の遺伝子診断" 産婦人科の世界. 49. 35-43 (1997)

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  • [文献書誌] 黒島正子: "初期胚における染色体異常の発生頻度と胚発生過程でのembryo lossに関する一考察" 産婦人科の実際. 47. 1199-1203 (1998)

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      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 岩田壮吉: "卵細胞質抽出物によるcell-free系精子核脱凝縮モデルの検討" 日本受精着床学会雑誌. 15. 98-101 (1998)

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      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 篠原雅美: "c-kit陽性spermatogoniaのフローサイトメトリー分析" 日本受精着床学会雑誌. 15. 102-104 (1998)

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      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 大澤淑子: "重度tapering精子の膨化能の検討 -ハムスター卵細胞質注入法を用いて" 日本受精着床学会雑誌. 16. 152-154 (1999)

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      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 末岡 浩: "新女性医学大系 II. 「生殖・内分泌」部門 15.不妊・不育" (株)中山書店, 414 (1998)

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      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 末岡 浩: "不妊症診療ハンドブック" (株)中外医学社 (印刷中), (1999)

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    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] K.SUEOKA,S.SHIOKAWA,T.MIYAZAKI,N.KUJI,M.TANAKA,Y.YOSHIMURA: "INTEGRINS ANO REPRODUCTIUE PHYSIOLOGY : EXPRESSION AND MODULATION IN FERTILIZATION,EMBRYOGENESIS,AND IMPLANTATION." FERTILITY AND STERILITY. 67(5). 799-811 (1997)

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    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Y.OSAWA,K.SUEOKA,S.IWATA,M.SHINOHARA,N.KOBAYASHI,N.KUJI,Y.YOSHIMURA: "ASSESSMENT OF THE DOMINANT ABNORMAL FORM IS USEFUL FOR PREDICTING THE OUTCOME OF INTRACYTO-PLASMIC SPERM INJECTION IN THE CASE OF SEUERE TERATOZOOSPERMIA" JOURNAL OF ASSISTED REPRODUCTION AND GENETICS. (IN PRESS). (1999)

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      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] K.Sueoka: "Integrins and reproductive physiology: expression and modulation in fertilization, embryogenesis, and implantation" Fertility & Sterility. 67(5). 799-811 (1997)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 末岡 浩: "精子核の膨化" 産婦人科の世界. 49(5). 33-40 (1997)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 末岡 浩: "初期胚の遺伝子診断" 産婦人科の世界. 49(7). 35-43 (1997)

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      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 黒島正子: "初期胚における染色体異常の発生頻度と胚発生過程でのembryo lossに関する一考察" 産婦人科の実際. 47(8). 1199-1203 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 岩田壮吉: "卵細胞質抽出物によるcell-free系精子核脱凝縮モデルの検討" 日本受精着床学会雑誌. 15(1). 98-101 (1998)

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      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 篠原雅美: "c-kit陽性spermatogoniaのフローサイトメトリー分析" 日本受精着床学会雑誌. 15(1). 102-104 (1998)

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      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 末岡 浩: "新女性医学大系 II.「生殖・内分泌」部門 15.不妊・不育" (株)中山書店, 414 (1998)

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      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 末岡 浩: "不妊症診療ハンドブック (印刷中)" (株)中外医学社, (1999)

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      1998 実績報告書
  • [文献書誌] K.Sueoka: "Integrins and reproductive physiology : expression and moduration in fertilization,embryogenesis,and implantation" Fertility & Sterility. 67(5). 799-811 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 末岡 浩: "精子核の膨化" 産婦人科の世界. 45(5). 33-40 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 末岡 浩: "初期胚の遺伝子診断" 産婦人科の世界. 49(7). 35-43 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 黒島正子: "初期胚における染色体異常の発生頻度と胚発生過程でのembryo lossに関する一考察" 産婦人科の実際. (印刷中). (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 末岡 浩: "新女性医学大系" 中山書店(印刷中), (1998)

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      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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