研究課題/領域番号 |
09671717
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
中林 正雄 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70114585)
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研究分担者 |
平野 郁子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80256601)
塩崎 美織子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90226093)
佐倉 まり 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20256613)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 妊娠中毒症 / 胎盤 / ウロキナーゼタイププラスミノゲンアクチベータ / PAI-1 / トロンボモジュリン / TGF-β / 胎児性フィブロネクチン / uPA / uPAレセプター |
研究概要 |
研究目的:妊娠中毒症の発症には絨毛細胞の脱落膜への侵入・増殖過程の障害が関与し、胎盤局所の免疫系、凝固線溶系の関与が示唆される。本研究においては正常妊娠について妊娠初期、中期、後期および妊娠中毒症の胎盤絨毛、脱落膜における凝固線溶系因子を測定し、さらに血小板由来サイトカインが凝固線溶系に与える効果について検討した。 方法:A. 正常妊娠初期、中期、後期および重症妊娠中毒症の胎盤を用い、絨毛、脱落膜の組織抽出液を検体として、ウロキナーゼタイププラスミノゲンアクチベータ(uPA)、uPAレセプタ(uPAR)、プラスミノゲンアクチベータインヒビター1(PAI-1)、トロンボモジュリン(TM)を測定した。さらにこれらの免疫染色を行った。 B. 妊娠初期胎盤より絨毛細胞および脱落膜細胞を分離。これらの細胞培養系に血小板由来増殖因子(PDGF)、血小板第4因子(PF4)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)を添加し、培養絨毛細胞上清中の胎児性フィブロネクチン(FFN)濃度および培養脱落膜細胞上清中のPAI-1濃度をELISA法で測定した。 成績:1)uPA、uPARは妊娠初期、中期絨毛、とくに脱落膜中に侵入している絨毛組織に認められ、後期には低下した。正常と妊娠中毒症で差は認めなかった。 2)PAI-1は後期の脱落膜に多く、妊娠中毒症では正常に比べて有意に高値を示した。 3)TMは後期の絨毛に多く、妊娠中毒症では正常に比べて有意に低値を示した。 4)TGF-βは脱落膜のPAI-1産生を亢進させ、絨毛細胞のFFN産生を亢進させた。 結論:1)胎盤形成には妊娠初期、中期絨毛のuPA、uPARが関与し、妊娠後期脱落膜中PAI-1産生亢進は妊娠中毒症の病態に関与することが示唆された。 2)妊娠中毒症の胎盤ではTM低値、PAI-1高値であり、凝固抑制系の低下、線溶抑制系の亢進が示された。 3)血小板凝集亢進はTGF-β上昇を介して線溶抑制系を亢進させ、妊娠中毒症の進展に関与することが示唆された。
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