研究課題/領域番号 |
09671735
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹内 直伸 (竹内 直信) 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40280945)
|
研究分担者 |
内藤 理恵 東京大学, 保健管理センター, 助手 (10282667)
室伏 利久 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (30242176)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | コラーゲン線維 / 顔面神経 / ハムスター / ミエリン形成不全 / ABR / hamster |
研究概要 |
顔面神経再生時の形態学的変化を神経内膜におけるコラーゲン線維を中心に観察した。Wistar系ラットを用い全身麻酔下に顔面神経頬骨枝を切断後、神経上膜吻合を10-0ナイロン糸により施行した。 処置後の顔面神経麻痺の回復過程は誘発筋電図により評価した。それによると処置後2週以降麻痺は徐々に改善した。形態学的には処置後2週の段階では、神経内膜のコラーゲン線維は密度が正常よりも疎で直径も細いが、4週から8週にかけては増生し線維の直径は増大し、線維束は神経線維を取り巻く様に筒状を形成してきた。12週になるとさらにコラーゲン線維の増生は著しくなりその立体構造も正常の二層構造、すなわち細いコラーゲン線維束がメッシュワーク状となり内層を形成し、比較的太いコラーゲン線維束が神経線維の長軸に沿って走行し外層を形成するという構造をなしていなかった。この再生後のコラーゲン線維の走行が正常の二層構造ではないということは、コラーゲン線維の量の増加がそのまま神経線維に対する保護力の強化にはつながらない事が示唆された。 以上より神経修復時においては神経線維のみではなく結合組織、特にコラーゲン線維の立体構造の変化は神経機能回復の上でも重要な鍵を握っているものと考えられる。また末梢性顔面神経麻痺患者の麻痺回復時に頻繁に遭遇するsynkinesis(病的共同運動)の出現機序にも拘わっているものと思われる。 次に、ミエリン形成不全ハムスターを用いて、脳幹機能をABRを用いて調べた。ABRは末梢および脳幹障害を示唆する結果であった。ついで、脳幹病理を光顕と電顕で調べたところ、聴覚系はラセン神経節も脳幹の中継核もミエリン形成不全を示した。同様に顔面神経系もミエリン形成不全を示し、顔面神経再生の所見は得られなかった。
|