研究課題/領域番号 |
09671755
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
松根 彰志 鹿児島大学, 医学部, 講師 (00253899)
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研究分担者 |
平瀬 博之 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (30305130)
西園 浩文 鹿児島大学, 医学部, 助手 (00284878)
黒野 祐一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (80153427)
福田 勝則 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (90156779)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | differential display法 / サイトケラチン / 繊毛新生過程 / RPCS3a / H type 3抗原 / floating culture / 繊毛細胞分化 / H type3 / 呼吸上皮細胞 / floating culture法 |
研究概要 |
遺伝子検索:differential display法を用い、floating後になって出現するバンドの抽出を行った。シーケンスされた25の中から5つを選択し、ノザンハイブリダイゼーションでfloating前後の発現量のチェックを行った。その結果、発現量に差は認めなかった。これはこのテクニックが持っている疑陽性の高さに起因するところが大きいと考えられる。細胞分化が生じている形態学的確認:サイトケラチンの発現を経時的に追った。サイトケラチン8、13、14をそれぞれの抗体を用いて検索した。その結果、floatingを行った時点ではいずれも発現を見なかったが、floating後徐々に出現し、それぞれ下記の分布を示した。 ・サイトケラチン8:中間層より上層に出現 ・サイトケラチン13:中間層のみ出現 ・サイトケラチン14:基底部の細胞と反応 繊毛新生過程に特異的な物質の検索:単クローン抗体作製を行った。それらの単クローン抗体のうち、繊毛新生過程に特異と考えられる一種類の抗体(RPCS3a)の特性を調べた。RPCS3aはCellular ELISAにおいて、3日目以降で陽性反応を認めているが、10日目前後の細胞において発現強度のピークを認めた。この10日目前後の培養細胞には、表層部に分泌顆粒を有する細胞の中に多くの中心小体を持った細胞を多数認め、繊毛細胞の前駆細胞であることが伺われた。ELISAの結果、H type 3抗原という糖鎖抗原に対して高い特異性を示した。RPCS3aにて認識されるH type 3抗原の発現量は、培養細胞の繊毛新生過程により変化し、その分化レベルを反映していると考えられる。このことより、H type 3抗原は繊毛新生過程における一つの特異的なマーカーとして考えられる。このH type 3抗原の検索を進めることにより、今後、繊毛細胞の分化の機序を解明することが可能になると考えられる。
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