研究課題/領域番号 |
09671757
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
藤井 正人 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70129633)
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研究分担者 |
今西 順久 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80255538)
徳丸 裕 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60245579)
松村 保広 国立ガンセンター, 内科, 医員 (90209619)
冨田 俊樹 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30276357)
管家 稔 (菅家 稔) 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20255540)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 頭頸部癌 / 細胞接着分子 / CD44 |
研究概要 |
本研究ではCD44変異体の頭頸部癌における役割を詳細に検討し、その発現と予後の相関に関して研究した。まず、我々が継代培養している様々な頭頸部癌培養細胞に関して、CD44v6発現の有無と癌浸潤能との相関みる事により、癌浸潤能に対するCD44v6の関与を検討し、さらに臨床像との相関を検討した。さらに頭頸部扁平上皮癌におけるCD44変異体CD44v6およびCD44v2の発現についてまず臨床的特徴との相関を検討した。手術摘出臨床材料を用いてCD44v6,およびCD44v2に対するモノクローナル抗体で免疫組織学的検討を行った。さらにIn vitroにおいて頭頸部扁平上皮癌培養細胞HSC-2を用いてCD44v6中和抗体添加による癌浸潤能の変化について検討を行った。さらにCD44v6中和抗体添加による癌浸能の変化と、マトリックスメタロプロナーゼ-1(MMP-1)発現と関連を検討した。【方法】頭頸部扁平上皮癌におけるCD44変異体CD44v6およびCD44v2の発現について臨床的特徴との関連を検討した。手術摘出臨床材料を用いてCD44v6、およびCD44v2に対するモノクローナル抗体で免疫組織学的検討を行った。次にIn vitroにおいて頭頸部扁平上皮癌培養細胞HSC-2を用いinvasion assayとmigration assayによって癌浸潤能の変化について検討を行った。さらにCd44v6中和抗体添加による癌浸潤能の変化と、マトリックスメタロプロテナーゼ-1(MMP-1)発現との関連を検討した。【結果】頭頸部扁平上皮癌113例の原発巣の免疫組織学的検討では、CD44v6の発現の低下が頸部転移率と、またCD44v2の発現の低下が予後の低下と正の相関を示した。CD44v6については、さらに新鮮凍結標本を用いてELISA法にてCD44v6蛋白を定量し、有意にCD44v6蛋白の低下が頸部転移率と相関することを証明した。invasion assayではCD44v6中和抗体添加によりコラーゲンゲル内への浸潤能の増加と、細胞上清中のMMP-1濃度上昇が見られた。一方、癌細胞遊走能、増殖能には影響を示さなかった。【今後の展望】頭頸部扁平上皮癌においてCD44v6、v2の発現は生物学的悪性度の指標になりうることが考えられた。さらに、CD44v6については局所浸潤能との関係が注目され、CD44v6機能低下においてMMP-1分泌増加が関連していることが示唆された。
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