研究課題/領域番号 |
09671769
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
堤 康一朗 (堤康 一朗) 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (40217344)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ヒトケラチノサイト / ヒトパピローマウイルス16型 / 分化 / 転写 / 転写制御 / HPV-16 |
研究概要 |
ヒトパピローマウイルス(HPV)のライフサイクルはHPVが感染したヒトケラチノサイト(HK)の分化と密接に関連しており、ウイルス遺伝子転写は未分化HKでは低くHK分化に伴い上昇する。本研究の目的はこの分化依存性転写における特異的HPV16型ゲノム領域を検出することであった。HPV16ゲノムを細胞内に持つ2種類のHK(HPV16によって不死化されたHK=HLEC16細胞とHPV16陽性乳頭腫細胞=HLP16(細胞)に対してカルシウムによって分化を誘導しウイルス遺伝子転写を解析した。HLEC16はHPV16ゲノムが宿主染色体に組み込まれて存在しており、HLP16のHPV16ゲノムは染色体外にエピゾームの形で複数存在していた。HLEC16、HLP16共に13番サイトケラチンの発現誘導(分化誘導)を伴ってカルシウム濃度増加に反応した。一方、ウイルスRNAレベル(E6+E7+E1 probe=nucleotides 57 to 866)はHLP16では分化誘導によって上昇したが、HLEC16では変化がなかった。E6 probeによるシグナル(nucleotides 112 to 498)はHLP16分化によって変化なく、E7 probeによるシグナル(nucleotides 621 to 879)は分化したHLP16で著明に上昇した。これらのデータはHK分化依存性に機能するプロモーター領域がnucleotides 498(the 3′ end of the E6 probe)から879(the 3′ end of the E7 probe)の間に存在することを示唆している。さらに、このプロモーターは分化したHK内にHPV16ゲノムがエピゾーマルな形で存在する場合にのみ活性化する可能性が高い(ウイルス遺伝子の宿主染色体への組み込みが分化に依存しないHPV16遺伝子転写を引き起こすために重要と思われる)。
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