研究課題/領域番号 |
09671821
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
|
研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 一之 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60004850)
|
研究分担者 |
佐々木 洋 金沢医科大学, 医学部, 講師 (60260840)
小島 正美 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40183339)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | アトピー性皮膚炎 / 白内障 / 水晶体鮫肌 / IgE / ステロイド / 前眼部画像解析 / NC / Ngaマウス |
研究概要 |
近年のアトピー性皮膚炎の増加は皮膚科領域のみならず眼科領域でも検討課題となっている。眼症の中では白内障の発現が10数%とされていることもあり、病態の解明が急がれている。本研究はアトピー性白内障の病態解明と白内障発現・進行につながる危険因子、紫外線ーB(以下UV-B)、の影響に焦点を置いて行われた。 臨床研究ではアトピー性皮膚病変を有する患者を対象に、白内障発症の有無にかかわらず水晶体の病変を特殊観察法により評価した。白内障の病像は1930年代にVogtにより提示されたものと基本的に変りはなく、水晶体前浅層皮質、後嚢下混濁と両者の合併であることが再確認されたが、水晶体のスペキュラー画像、Scheimpflug撮影画像の解析からその病変は肉眼的に明らかな白内障が発現する以前にとらえられることを明らかにした。早期診断法を用いると白内障発見率は数%はアップする。将来的には進行防止につながる臨床所見である。アトピー性皮膚炎患者では血清IgE値の高値がみられる症例が多いが、本研究では血清、房水IgE値とも白内障発現への関連はみられなかった。また眼部殴打による外傷、ステロイドの長期投与が白内障発現の原因と唱える者があるが、両者とも直接の発生原因ではないことも本研究より明らかにできた。通常の白内障は複数危険因子の相乗・相加作用によって発現・進行するが、この中で太陽紫外線の被曝は白内障発現、進行に大きく関与することが最近肯定されてきた。紫外線被曝の影響をみるためのモデル動物を模索してきたが、その中でアトピー性皮膚炎のモデル動物と云われているNC/Ngaマウスに注目し、その水晶体所見が果たして特有の白内障を発現するのか否かを検討した。ダニ感染のあるNC/Ngaマウスと、同系のNC/Numマウスでは共に白内障の存在がある時期からみられたが、両マウスを詳細に観察すると白内障は眼先天異常の一分症であることまで現時点では確認できた。ダニ感染NC/Numマウスでの紫外線被曝による白内障進行増強の解析は今後の白内障発現予防に向けた研究に役立つものと考える。
|