研究課題/領域番号 |
09671843
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅原 俊二 東北大学, 歯学部, 助手 (10241639)
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研究分担者 |
杉山 明子 東北大学, 歯学部, 日本学術振興会特別研
力石 秀実 東北大学, 歯学部, 講師 (70091767)
高田 春比古 東北大学, 歯学部, 教授 (30135743)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 黒色色素産生菌 / 歯肉上皮細胞 / サイトカイン / 接着分子 / 活性化機構 |
研究概要 |
本研究により以下の研究成果を得た。 1. ヒト歯肉上皮細胞はPrevotella intermediaの糖タンパク(PGP)画分、Porphyromonas gingivalis fimbriae および内毒素性リポ多糖(LPS)画分の刺激によりインターロイキン(IL)-8、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)を分泌した。一方、インターフェロン(IFN)-γ刺激ではマクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)の分泌を促した。 2. ヒト歯肉上皮細胞はP.intermedia PGP 画分、P.gingivalis fimbriae およびLPS画分の刺激に応じて膜表層の接着分子(ICAM-1)発現を増強した。 3. 上述の各種サイトカイン産生誘導および接着分子発現増強はRT-PCRによりmRNAレベルでも確認された。 4. ヒト歯肉上皮細胞は主要なLPSレセプターであるCD14を発現しておらず、黒色色素産生菌の菌体表層成分は、腸内細菌科のLPSとは異なる機構でヒト歯肉上皮細胞を活性化することが示唆された。昨年来、LPSのシグナル伝達分子としてToll-like receptor(TLR)の報告があり、高濃度ではCD14非依存性に細胞内にシグナルを伝達することが可能な分子群である。このTLR分子群が黒色色素産生菌の菌体表層成分の受容体となっているか否かについては今後の検討課題としたい。 5. 近年、IFN-γを強力に誘導するIL-18の生物学的作用について注目を集めている。今回、ヒト歯肉上皮細胞はIL-18を細胞内におそらく前駆体として保有していることが明らかとなった。今回供試した菌体成分やサイトカインではIL-18の成熟型としての分泌を促すことはできなかったが、何らかの機構で細胞内のIL-18が活性化され、免疫担当細胞からのIFN-γ産生を促すことにより、歯周組織での炎症の発症や治癒機転に積極的に関与していることが考えられる。この点についても今後の研究課題としたい。
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