研究課題/領域番号 |
09671875
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
笹川 一郎 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (00095134)
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研究分担者 |
赤井 純治 新潟大学, 理学部, 教授 (30101059)
石山 巳喜夫 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (70120607)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 歯 / エナメロイド / 硬骨魚類 / 石灰化 / 酵素組織化学 |
研究概要 |
平成9年度では真骨類歯胚の微細構造の観察および非特異的ALPaseとACPaseの酵素組織化学的検出で成果があり、エナメロイド石灰化期から成熟期にかけて歯胚上皮細胞が活発な物質輸送を行い、エナメロイド基質の分解・脱却に深く関与していることが示唆された。10年度では真骨類エナメロイドの発生過程を板鰓類エナメロイドのそれと比較することにより両者の相違点と類似点が明瞭になった。11年度では硬骨魚類の真骨類、全骨類、軟質類では歯胚エナメル器の構造が大きく異なり、組織化学的性質も独特であることからエナメル器の機能もそれぞれに異なると推定された。すなわち、ALPaseは真骨類と全骨類のエナメロイド成熟期の内エナメル上皮細胞細胞膜、ACPaseは同じく内エナメル上皮細胞中の顆粒に強い反応が見られた。Ca-ATPaseは全骨類の中間層細胞と内エナメル上皮細胞の細胞膜、軟質類の内エナメル上皮細胞膜に顕著な反応があった。Na/K-ATPaseは真骨類の外エナメル上皮細胞に活性が認められた。12年度では全骨類と軟質類のエナメロイド成熟期での歯胚構造と酵素組織化学的特徴の違いがより明瞭になった。また、軟質類、全骨類および真骨類の一部のエナメロイド基質形成期にはエナメロイド中に基質小胞に由来する線維状構造が出現し、初期の結晶沈着の場となっている事がわかった。 本研究を総括的に振り返ると、当初の目的のうちエナメロイドの成熟期において高石灰化層を形成する結晶成長をその場で直接制御している機構までは解明がいたらなかったが、この過程に関与する歯胚上皮細胞の形態的、組織化学的特徴とそれらの種による多様性が明らかになり、これらの点で大きな進展をみたといえる。エナメロイドの構造や構成結晶の差異、および結晶成長の過程とその微小環境については今後さらに研究を継続する予定である。
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