研究課題/領域番号 |
09671885
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
西原 達次 国立感染症研究所, 口腔科学部, 室長 (80192251)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 歯周病原性細菌 / 歯周炎 / アポトーシス / インターロイキン-1β / カスペース / 歯周病 / 細菌感染 / 歯周病細菌 / IL-1β / IL-1β変換酵素 / IL-1β変換酵素阻害剤 / マクロファージ |
研究概要 |
本研究では、哺乳動物細胞におけるアポトーシス制御タンパクとして注目されているカスペースファミリーメンバーのcaspase-1とcaspase-3が、A.actinomycetemcomitans感染マクロファージにおけるアポトーシス誘導にどのような影響をおよぼすかについて検討を加えた。初年度の研究で、感染マクロファージのアポトーシス誘導にはこれらのシステインプロテアーゼが重要な役割を果たしている可能性を示唆する結果が得られた。そこで、次年度は、それぞれの酵素の特異的阻害剤であるcaspase-1阻害剤Z-VAD-FMKとcaspase-3阻害剤DEVD-FMKを用いて、感染マクロファージの致死活性の変化を調べた。感染させたJ774.1細胞の培養系にZ-VAD-FMKおよびDEVD-FMKを添加すると、感染細胞のアポトーシス発現が著しく抑制されることが明らかとなった。一方、A.actinomycetemcomitansを感染させるとIL-1βの産生の亢進が認められたが、Z-VAD-FMKの添加によりその産生量は著しく減少した。このことから、感染マクロファージの細胞内のcaspase-1はアポトーシス発現およびIL-1βの産生に深く関っていることが考えられた。さらに、感染マクロファージがら産生されるIL-1βは歯周炎の進展に重要な役割を果たしていることが示唆された。次に、感染細胞内のcaspase-3の酵素活性および細胞内のタンパクの変化を調べた。感染マクロファージでは、caspase-3の酵素活性の亢進が認められたが、DEVD-FMKを感染細胞の培養系に添加することにより細胞内のcaspase-3の酵素活性は著しく減少した。さらに、感染マクロファージでは、細胞内タンパクRbがcaspase-3に特異的な部位で切断されていたが、DEVD-FMKを添加することでこの切断は完全に阻害された。以上の結果から、A.actinomycetemcomitansを感染させたマクロファージに発現されるアポトーシスでは、細胞内のcaspase-1とcaspase-3が中心的な役割を果たしていることが強く示唆された。
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