研究課題/領域番号 |
09671890
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
織田 公光 新潟大学, 歯学部, 教授 (10122681)
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研究分担者 |
五十嵐 敦子 新潟大学, 歯学部, 助手 (90168097)
高橋 徳也 新潟大学, 歯学部, 助教授 (50018420)
水野 敞 新潟大学, 歯学部, 助手 (10018426)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 低ホスファターゼ症 / アルカリホスファターゼ / グリコシルホスファチジルイノシトール / 先天性遺伝子疾患 / 細胞内輸送 / 硬組織 / 先天的遺伝疾患 / 組織非特異的アルカリホスファターゼ / タンパク質の細胞内輸送 / 石灰化 |
研究概要 |
低ホスファターゼ症は骨や歯などの硬組織に特異的に症状が現れる先天的遺伝疾患で、組織非特異型アルカリホスファターゼ(TNSALP)遺伝子の突然変異に起因すると考えられている。これまでに20余りの突然変異例が報告されているが、その解析は遺伝子レベルの塩基配列の変化を記載するにとどまり、患者で観察されるアルカリホスファターゼ活性の低下がどの様にして起こるのか、その分子機構は不明のままであった。本研究では重症例の低ホファターゼ症で報告された変異型酵素2例を中心にその解析を行った。 1. 162番目のアラニンがスレオニンに置換した変異酵素(Ala162-Thr)を解析するために、COSl細胞に変異酵素を発現させ野生型酵素との比較検討を行った。その結果、変異型酵素では合成された酵素の一部だけが活性を有する酵素として細胞表面に発現されること、そして酵素の大部分は細胞内でジスルフィド結合による高分子量凝集物を形成していることが明らかになった。さらに、N型結合糖鎖の解析から変異酵素は小胞体またはpreGolgi領域に留まっていることが判明した。 2. 317番目のグリシンがアスパラギン酸に置換された変異酵素(Gly317Asp)の解析の結果、本変異酵素は合成後、全ての分子が高分子量凝集物を形成するために活性を有する分子が細胞表面に全く発現されないことが判った。また、いずれの変異酵素の場合も、グリコシルホシファチジルイノシトールによる修飾を野生型と同じように受けていることも確認された。 以上、変異型酵素はその大部分が高分子量凝集物を形成して細胞内に貯留したために、細胞表面に機能を有する酵素分子の大幅な減少をもたらした結果低ホスファターゼ症が発症したものと推定された。
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