研究課題/領域番号 |
09671900
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
國松 和司 長崎大学, 歯学部附属病院, 講師 (20170011)
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研究分担者 |
尾崎 幸生 長崎大学, 歯学部附属病院, 助手 (60204187)
加藤 伊八 長崎大学, 歯学部, 教授 (30005087)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | メダラシン / カテプシンG / 歯周疾患 / 歯肉増殖 / 免疫組織学 / プロテイナーゼインヒビター / 酵素免疫測定 / 歯肉増殖症 / 好中球 / プロテアーゼインヒビター |
研究概要 |
顆粒球中性プロテアーゼのメダラシンとカテプシンGの歯周炎および薬剤誘発性歯肉増殖症における役割を調べる目的で、免疫生化学的および免疫組織学的研究を行った。まず、同意の得られた重度(AP)および軽度(YAP)の成人性歯周炎患者ならびに若年性歯周炎患者(LP)の歯肉溝より滲出液を採取し、酵素免疫測定法により定量した。その結果、APおよびLPの滲出液中のメダラシン量は、YAPよりも有意に多く検出された。また、歯周外科時に採取された成人性歯周炎患者歯肉組織中のメダラシンおよびカテプシンGは、ともに歯周ポケット上皮ならびにその近傍に多く発現しており、その多くは脱顆粒状を呈していた。さらに、炎症性細胞浸潤の程度の強い切片では、結合組織深部においてもメダラシン保有細胞が多数認められたが、多くは細胞内に発現しており、脱顆粒様所見は少なかった。また、結合組織深部では、線維芽細胞を始めとする宿主細胞のサイトカインや成長因子の産生調節や免疫反応の調節にも関与している可能性が推察された。近年、薬剤の影響による歯肉増殖症が注目されており、メダラシンやカテプシンGも何らかの重要な役割を果たしている可能性がある。そこで、ラットを用いてニフェジピン誘導性の歯肉増殖症を惹起させ、32週間の増殖歯肉結合組織の病理組織学的変化を調べた。その結果、薬剤投与後2週で対照群と比較してメダラシン保有細胞の有意な増加が認められ、この傾向は実験終了まで続いた。この変化は歯肉増殖の確立する8週目より早く認められたことから、メダラシンが歯肉増殖の成立に関与している可能性が強く示唆された。以上の結果より、メダラシンとカテプシンGは歯周疾患と関連が深く、細胞外に積極的に放出されなくても、細胞膜に近接あるもは結合して存在することにより、生理機能を果たしている可能性が示唆された。
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