研究課題/領域番号 |
09671907
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
角野 隆二 日本大学, 歯学部, 教授 (40014378)
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研究分担者 |
坪井 美行 日本大学, 歯学部, 講師 (50246906)
岩田 幸一 大阪大学, 歯学部, 助教授 (60160115)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | サル / 三叉神経 / 痛覚 / 弁別課題 / 大脳皮質第一次体性感覚野 / 注意 / 前帯状回 |
研究概要 |
2年間にわたって大脳皮質第一次体性感覚野および前帯状回の痛覚受容機構を解明すべく、覚醒サルを用いて研究を進めてきた。その結果、大脳皮質第一次体性感覚野に分布する侵害受容ニューロンのあるものは、歯髄刺激強度変化に伴った刺激強度弁別速度増加に伴ってスパイク頻度を増していることから、確かに痛覚の弁別的局面を担っていることが示された。しかし、それは本研究で記録されたニューロンのうち約半数のもので、残りの半数のニューロンはスパイク頻度の変化を示さなかった。少なくとも、これらのニューロンは刺激強度変化の弁別に対し重要ではないと想像されるが、これらニューロンの実際の役割に関しては全く不明であるといっても過言ではない。さらに、大脳皮質第一次体性感覚野を冷却すると弁別時間の延長と共に、逃避行動の増加が認められたことから、この領域が単に侵害入力の受容だけに留まらず、侵害情報をモジュレートする働きを有する可能性が示された。しかし、このような大脳皮質を介した侵害情報のモジュレーションがいかなるメカニズムで行われているかについては全く不明である。一方、前帯状回の侵害受容ニューロンに関する研究は始ったばかりで、まだまだ明らかにしなければならない問題が山積している。我々の結果では、前帯状回の分布する侵害受容ニューロンのあるものは、サルが注意を侵害刺激から非侵害刺激へと移すことによってスパイク頻度を減少した。これは正しくこの領域の侵害受容ニューロンが注意による変調を受けたことを意味している。本研究の最終目的は侵害情報がいかなるメカニズムにより痛覚として認識されるか、ということを解明することにある。この大きなテーマを解決すべく、今後はさらに覚醒サルを用いた研究を行うと同時に、ヒトに関するPETを用いた研究も進めて行きたいと考えている。
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