研究概要 |
抗菌剤(0〜5%バンコマイシン)添加4META/MMA-TBB系象牙質接合材を用い、ある程度細菌感染を生じた生活歯髄のレジン直接覆罩の可能性について検討した。 ケミカルサージェリーに変わる、創面の消毒、止血方法として、酸化電位水の応用を考え,新線抜去ウシ象牙質に対する接着,接合試験を行ない以下の結果を得て日本歯科保存学会秋季大会にて報告した. (1). 酸化電位水処理だけでは良好な接着は得られず、酸化電位水処理の後に10-3処理が必要である. (2). 10-3処理、酸化電位水処理の処理時間、処理方法を適切に行なえば、象牙質に対して良好な接着が得られる. また,病理試験ではWistar系ラット上顎臼歯を露髄面に一定時間A. naeslundiiを接触汚染した生じた生活歯髄の露髄部分に対して,抗菌剤(2%バンコマイシン)添加4META/MMA-TBB系象牙質接合材を用い覆髄した場合、あるいは酸化電位水を使用した場合、さらに両者を併用した場合について病理試験を行った. その結果、抗菌剤を含まない接合材を使用した場合には膿瘍形成が一部の例において認められたが,抗菌性接合材を使用した場合には膿瘍形成は認められなかった.また今後、直接覆髄時の創面の処理方法についての検討が必要である。また,一部細菌汚染を生じている歯髄の直接覆罩における酸化電位水を併用することの効果は今回の実験では認められなかった.
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