研究概要 |
学童期、および思春期における歯周炎発症のリスクファクターの検討にあたり、基礎データにおいて11歳前後にアタッチメントロスが起こる事から、8歳から10歳の学童を対象に歯肉縁下細菌層と臨床データの関係を調査した。 東京都内小学校学童、年齢8から10歳の6番頬側を対照歯とし、Plaque Index(PI), pocket depth(PD), bleeding on probing(BOP), attachment loss(AL)を計測した。また、同部位より歯肉縁下プラークを採取し、Porphyromonas gingivalis(Pg),Bacteroides forsythus(Bf), Prevotella intermedia(Pi), Campylobacter rectus(Cr), Actinobacillus actinomycetemcomitans serotype aおよびbの検出を間接的免疫蛍光抗体法にて行った。 その結果、陽性細菌の数、および総菌数に対する割合とPIに統計学的に有意な相関が認められた。さらにPgはPIと歯石の付着、BOP(+)に有意に関係し、またBfもBOP(+)と有意な関係が認められた。 以上の事より、歯肉縁下細菌叢のうち、PgまたはPgとBfのコンビネーションが将来の歯周病発症のリスクマーカーとなり得る可能性が示唆された。
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