研究課題/領域番号 |
09671994
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
冲本 公繪 (沖本 公繪) 九州大学, 歯学部, 講師 (00037532)
|
研究分担者 |
伊藤 博夫 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (40213079)
寺田 善博 九州大学, 歯学部, 教授 (30038898)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 高齢者 / 咀嚼機能 / 免疫学的検査 / 義歯 / ADL |
研究概要 |
生命維持のため基本的重要な行為である咀嚼、その機能の低下は、生体に対する重大なストレスであり、生体調節系に悪影響を及ぼすことは容易に想像される。我々はストレスに対する適応能力が低い高齢者に対し、咀嚼機能の改善、改悪が全身状態、特に生体調節系に及ぼす影響を明らかにするために本研究を計画した。生体調節系への影響を調べるために、免疫学的検査として、リンパ球のT細胞に関するCD4・CD8、リンパ球幼弱化反応、NK細胞活性について検査を行うとともに、感染など他の要因が入らないか血液学的検査によりチェックした。これらと咀嚼機能とその環境および全身状態を反映する精神機能状態、ADLなどを経時的に調査して比較を行い、咀嚼機能が免疫機能に及ぼす影響を調べた。対象は老人病院に入院中の高齢者で、全身的症状が比較的安定している10人(平均年齢77.0歳)である。各々の口腔内状態に応じて現有歯の処置、旧義歯の調整、新義歯の製作などを行なった。初診時、6人は不適義歯使用者、4人は必要にも関わらず義歯不使用であった。咀嚼環境と機能の改善前、改善後、原則として1カ月後に調査、検査、測定を行なった。なお各対象者には、事前に充分なインフォームドコンセントを得た。検査は充分慣れた義歯を使用している者に対しては、義歯を外す期間を原則として10日間とし、(A)その直前、(B)最終日、(C)義歯再使用後10日後の3回行い、一定期間義歯を使用していなかった者については、(B)完成義歯装着直前、(C)義歯装着後充分な調整機関をおいてからの2回とした。検査データの比較は、AとB(n=6)、BとC(n=10)について行った。結果は義歯使用患者が義歯をはずすとCD4/CD8比が有意に減少し、また義歯がない状態から、義歯を使用する状態にすると、CD4/CD8比が有意に増加した。他の血液学的項目には有意な変化は見られなかったことから、義歯の有無が免疫学的検査に影響を及ぼし、咀嚼と免疫機能になんらかの関連性があることが示唆された。
|