研究概要 |
多数の口腔癌組織、前癌病変さらに転移巣組織を用いて、genomic instabilityに関して、以下の研究を行った。 1)各染色体上の多数のマイクロサテライト領域についてgenomic instabilityを検出し、その頻度と分布を明かにした。 2)それらのうち、特にgenomic instability を示す確率の高い領域としてD2S119,D2S123,D2S147,D3S659,MCC,D6S87,D9S157,LPL,D9S162,D9S171,D10S197,D11S912,D11S924,DCC領域についてMIと各種臨床指標(組織分化度、転移の有無、予後等)とを比較したところ、特にリンパ節転移との間に強い相関を示した。臨床応用の可能性がある。 3)遺伝子修復酵素異常を検索したところ、DNA上の構造異常はほとんど認められなかった。しかし、各修復遺伝子の発現原弱が低率であるが認められ、ミスマッチ修復異常は修復酵素の構造異常ではなく発現抑制により生じている可能性が示唆された。
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