研究分担者 |
安田 聡 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (90283316)
市原 秀記 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (50184627)
奥富 直 岐阜大学, 医学部, 助教授 (50152426)
横山 恭子 岐阜大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究概要 |
VX2癌は可移動腫瘍で,口腔癌で最も頻度の高い扁平上皮癌に組織型が類似している。またVX2癌は移植が容易で移植率がきわめて高いという利点がある。これまで我々は家兎VX2舌癌モデルにBRM製剤や各種抗癌剤の投与及び併用投与を行った。抗癌剤の抗腫瘍効果を形態学的,組織学的腫瘍壊死率,各種免疫染色などによって判定してきた。今回われわれはLNT,CDDPおよびCDGPのアポトーシス誘導能力を評価するために,家兎VX2舌癌に対しLNT,CDDP,CDGPを投与し,TUNEL法にて染色を行った。 以下の結果を得た。 TUNEL陽性細胞の核はTACS.Blue Labelにより青緑色に染色された。腫瘍の中央部ではネクローシスによる組織の欠損が観察され,TUNEL陽性細胞は腫瘍の辺縁部に認められた。 LNT投与群,CDGP投与群共にアポトーシス誘導がControl群に対して有意に増強した。 LNT,CDGP併用投与群ではさらにアポトーシスの誘導が促進された。 CDGPの腫瘍内投与群および静脈内投与群では,投与経路によるアポトーシス誘導には有意差はみられなかった。 CDGPとCDDPの間にはアポトーシス誘導に有意差が認められなかった。 アポトーシス抑制因子の解明が必要で,それが固形癌への化学療法の奏効性を高める要素となることが示唆された。
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