研究分担者 |
堤 のぞみ 昭和大学, 薬学部, 助手 (00255382)
宮崎 倫子 昭和大学, 薬学部, 助手 (00266165)
松谷 裕二 昭和大学, 薬学部, 助手 (50255858)
永田 和弘 昭和大学, 薬学部, 講師 (20208010)
伊藤 喬 昭和大学, 薬学部, 助教授 (40159885)
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キーワード | 1, 2, 3-トリアジン / 1, 2, 3, 4-テトラジン / 多窒素芳香族 / アミノアゾール / 酸化 / 分子軌道法 / 一酸化窒素 / 1,2,3-トリアジン / 1,2,3,4-テトラジン / 含窒素芳香族 / トリアジン / テトラジン / N-アミノ化合物 |
研究概要 |
前年度に引き続き、目的とする単環系1,2,3,4-テトラジン、及び芳香環が縮環した1,2,3,4-テトラジンの合成法を検討した。この前段階として、1,2,3-トリアジンの合成において、対応するピラゾールのN-アミノ体を酸化しN-ナイトレンを経由することにより環拡大が起こり、窒素数が一個増加した6員環を形成する方法を見いだした。本反応は、酸化剤として四酢酸鉛、過酸化ニッケル、ヨウ素等を用いることにより、これまで報告例のない多くの1,2,3-トリアジン合成に有用であることが明らかとなった。この方法を縮環した1-アミノ-1,2,3-トリアゾールに対して適用し、四酢酸鉛で酸化することにより現在まで唯一の報告例である1,2,3,4-テトラジンの合成に成功した。本法は、原料となる1,2,3-トリアゾールに文献既知なものが多いため適用範囲が広く、種々の置換基を有する誘導体を合成できる利点がある。しかし、従来トリアジン合成に用いてきた酸化剤では、上記の一例を除き、1,2,3,4-テトラジン合成には成功しなかった。この結果が1,2,3,4-テトラジン環そのものの不安定性によるものか、あるいは酸化閉環の過程が困難であるためなのかを決定するために、無置換1,2,3,4-テトラジンの開裂分解過程を分子軌道法を用いて計算した。この結果、分解過程は競争的な開裂ではなく、ラジカル的な多段階反応であることを見いだした。従って、環形成後のテトラジンは安定に存在する可能性がある。そこでこれまでアミノ基の酸化には用いられることのなかった酸化手段を検討することとした。緩和な酸化力を有し、近年注目を集めている一酸化窒素による酸化を検討し、テトラジン合成には至らなかったものの、一般のアミン類と一酸化窒素の相互作用について、幾つかの新規な知見を得ることができた。
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