研究課題/領域番号 |
09672172
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 北陸大学 |
研究代表者 |
栗田 城治 北陸大学, 薬学部, 教授 (80100494)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 有機アンチモン化合物 / Sb-キラル化合物 / C_2-キラル化合物 / 光学分割 / 不斉素子 / 不斉合成反応 / 2,2'-ビス[ジアリルスチバノ]-1,1'-ビナフチル / ジナフト[2,1-b;1',2'-d]スチボール / パラジウム錯体 / 不斉合成 / dinaphtho[2,1-b;1',2'-d]stiboles / 2,2'-bis(diarylstibino)-1,1'-binaphthyl / ラセミ化自由エネルギー / 求核置換反応 / hyper valent / 光化学反応 / クロスカップリング / ホモカップリング / 有機リン(III)化合物 / 有機ヒ素(III)化合物 / 有機アンチモン(III)化合物 / キラル化合物 |
研究概要 |
報告者は、これまで報告のない光学活性なアンチモン(Sb)およびビスマス(Bi)を中心とした第15族重原子化合物の合成とその不斉誘導反応への適用に関する研究に取り組み、以下のような成果を上げることができた。 1.中心性および軸性キラリティーを持つ有機Sb化合物(III)の一般合成法とその光学分割法の確立:ビエチニルスチバン類体を前駆体とした段階的求核置換反応により、Sb原子上に中心性キラリティーを持つ有機Sb化合物の効率的一般合成法を確立した。また、2,2'-dibromo-1,1'-binaphthylのリチウム試薬処理によって生ずるジリチオ体に、求核試薬(Ar_2SbBr,Ar_2BiBr)作用させると、軸性キラリティーを持つBINAPの類縁体BINASbおよびBINABiが得られること、さらに、このジリチオ体に、RMX_2(M=Sb,SiH,GeH,etc.)を作用させると、対応する光学活性なジナフトヘテロール類が生成することを明らかにした.ここで得られたキラルなSb化合物は、光学活性なPd試薬を分割剤として利用することにより、効率的に光学分割できることも新たに見出している。これらは、安定な光学活性有機Sb化合物の初めての単離例である。 2.光学活性有機Sb化合物(III)を利用した新規な不斉合成反応の開発:上記研究で得られた光学活性なSb化合物は、Rh触媒下におけるプロキラルケトン類の不斉還元やPd触媒下におけるアリルアルコール誘導体の不斉アルキル化反応の有効な不斉配位子として機能することを明らかにした。 著者は3系統のキラリティーを持つ有機Sb(III)化合物の一般合成法を確立すとともに、その光学分割法を検討し、パラジウム試薬を利用する方法によって、それらの光学分割を達成した。特殊な例を除いて、これまで光学活性なSb(III)化合物が安定に単離された例は無く、今回の研究によって、初めてその一般合成法と光学分割法が確立されたことになる。また、ここで新たに得られた3系統、計8種の光学活性なSb(III)化合物の不斉配位子としての効果を知る目的で、遷移金属存在下における2種(不斉還元および不斉アルキル化)の不斉誘導反応を試み、これらの有機Sb化合物は、リン配位子とは異なった挙動を示すことが明らかになった。
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