研究課題/領域番号 |
09672176
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
池田 正澄 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30028857)
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研究分担者 |
佐藤 達典 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (20205933)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ラジカル環化反応 / 位置選択性 / 温度効果 / 不斉誘起 / アルカロイド / オクタヒドロインドロン / (-)-γ-リコラン / パンクラシン / ラジカル環化反 |
研究概要 |
本研究は、Baldwin則によって禁制の反応とされる5-endotrig型ラジカル環化反応に関して詳細に検討を行い、この反応を生理活性アルカロイド等の合成に応用しようとするものである。以下に得られた具体的な成果を列挙する。 1) N-ビニル-α-ハロアミド類のラジカル環化反応の位置選択性を決定する要因:5-endo-trig型及び4-exo-trig型の2様式の環化反応が可能なα,α,α-trichloro-N-[2-(phenylthio)-1-cyclohexen-1-yl]acetamide及びα-halo-N-(3,4-dihydro-2-naphthyl)acetamide類をモデル化合物として、環化反応の位置選択性に及ぼす反応温度効果及びラジカル炭素上とアミド窒素の置換基効果について検討を行った。その結果、反応温度による効果は、低温(ベンゼン還流条件)では4員環生成が有利であるが、高温(トルエン還流条件)では5員環生成が有利であった。 一方、中間体のカルバモイルメチルラジカルが安定化を受けない場合は4-exo-trig型環化反が優先的に進行するのに対して、安定化置換基がラジカル炭素上に存在する場合は、一旦4-exo-trig型環化反応により生成したβ-ラクタムが開環して安定化されたカルバモイルメチルラジカルに戻り、結果的に5-endo-trig型環化反応が優先的または一方的に進行することが判明した。また、アミド窒素原子上置換基の立体的かさ高さは位置選択性に無関係であることも判った。以上の結果により4-exo-trig環化反応は速度論支配、5-endo-trig型環化反応は熱力学支配の条件下で優先するものと考えられる。 2) (-)-γ-リコランの合成:N-(6-oxo-1-cyclohexen-1-yl)-2-iodoacetamideの5-endo-trig型ラジカル環化反応を鍵反応として(-)-γ-リコランの最初の全合成を達成した。 3) パンクラシンの合成:N-(1-cyclohexen-1-yl)-α-aryl-α(phenylthio)acetamideの5-endo-trig-ラジカル環化反応を鍵反応としてパンクラシンの合成を達成した。
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