研究課題/領域番号 |
09672194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
酒井 朝也 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (00080169)
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研究分担者 |
鈴木 榮一郎 味の素(株), 中研, 主席研究員
栗本 英治 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (90234575)
黒田 良孝 名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (40080204)
野原 大輔 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (60080214)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | タンパク質 / リフォールディング / ルースフォールディング / ル-スフォールディング |
研究概要 |
(1) Hen egg-white lysozyme(Lyzm)の4つのS-S結合をdithiothreitolにより全還元して6M guanidinium chloride(GdmCl)に溶解した状態から、glutathioneのredox試薬を用いてS-S結合の再酸化を含むrefolding操作を行った。Lyzm濃度10μMで約20%活性回復するが残りは殆どがaggregationを起こしてしまう。GdmClを0.5〜1M共存させ、タンパク質分子をルースフォールディング状態にして再酸化すると活性回復率は80%にまで飛躍的に上昇した。さらに、GdmClの働きをureaとLiClの作用の組み合わせた働きととらえ、この2つの試薬の濃度を様々に変えた組み合わせ溶媒を調製しrefolding操作を行った結果、urea濃度が2〜4、LiCl濃度が0.5〜3Mで囲まれる領域で活性回復率はほぼ100%達成できることがわかった。 (2) (Ethylene glycol-LiCl)および(glycerol-LiCl)の組み合わせ溶媒系でも収率が100%に達する領域が明瞭に現れた。すなわち、ethylene glycol:4〜11M、LiCl:2〜4Mの領域、および、glycerol:5〜8M、LiCl:3〜4Mの領域である。 (3) あらたに採用したStreptomyces griseus由来のトリプシン(SGT)のリフォールディングには、Lyzmに有効であったurea-LiClあるいはsubtilisin BPN'に効果のあった酢酸カリウムなどの溶媒系は適さず、高濃度(1〜2M)のトリエタノールアミンやジエタアノールアミンなどの溶媒系で収率が上昇し、50%程度まで回復した。100%に達しない原因がプロテアアーゼであるが故のオートリシスや変性タンパク質分子同士のアグリゲーションであると考えられたので、活性回復したSGTをいったん阻害するが、その後時間をかけて消化されてしまうというtemporaryなinhibitorを共存させることによって約85%にまでリフォールディング収率を上昇させることができた。ルースフォールディング状態になるよう溶媒を選定し、プロテアーゼの場合はその上で特別の工夫を加えてやることにより収率の上昇が期待できることが明らかとなった。
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