研究課題/領域番号 |
09672203
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
矢田 登 摂南大学, 薬学部, 教授 (70028835)
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研究分担者 |
多喜 陽子 摂南大学, 薬学部, 研究員 (90258088)
山下 伸二 摂南大学, 薬学部, 助教授 (00158156)
瀬崎 仁 摂南大学, 薬学部, 教授 (50025681)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | マイクロダイアリシス / 経皮吸収 / 経皮適用製剤 / 皮膚内滞留性 / 吸収促進剤 / 皮膚内滞菌性 |
研究概要 |
マイクロダイリシスによる経皮適用製剤の機能性を検討するに当たり、モデル薬物として、サリチル酸、インドメタシンを用いた。又、市販インドメタシンクリーム及びゲル製剤での皮膚移行性も検討した。さらに、吸収促進剤として、オレイン酸-プロピレングリコール混液を用いその機能を、トラニラストの経皮移行を指標に検討した。又、安全性については、吸収促進剤について、人で検討した。なお、基剤としてては、水溶性基剤のソルベースを、油脂性基剤の内ポロイド及び白色ワセリンを、乳剤性基剤として、親水ポロイド、親水軟膏及び吸水軟膏を用いた。その結果、次の成果を得た。 (1)サリチル酸の透析液中への回収率は4.8%であった。(2)ソルベースの場合、角質層を有する全層皮膚へのサリチル酸の移行はきわめて少なく最高濃度は68μMであったが、角質層剥離により約50倍に増加した。(3)ポロイドの場合、全層皮膚への移行はかなり良好で最高濃度は622μMであった。白色ワセリンもほぼ同程度の結果を示した。(4)乳剤性の親水ポロイド及び吸水軟膏ポロイドと同程度の移行性を示した。(5)血漿中濃度時間曲線下面積に対する皮膚中濃度時間曲線下面積の比は疎水性軟膏基剤及び吸水軟膏で大きな値を示した。このことは、局所作用を期待する製剤の基剤としては、疎水性又は吸水軟膏が適していることを示唆するものである。(6)インドメタシンの透析液中への回収率は5.2%であった。(7)親水軟膏、吸水軟膏からの皮膚移行性は良好で、最高皮膚中濃度は30〜65μg/mL、であった。市販インドメタシンゲル、クリームかの皮膚移行は、親水軟膏、吸水軟膏と同程度であった。(7)吸収促進剤として用いたオレイン酸-プロピレングリコール混液の比率を換えて検討したが、オレイン酸20%プロピレングリコール10%の組み合わせが最高値を示した。(8)以上の成果より、マクロダイアリシスにより皮膚中薬物濃度を測定することは、あらかじめ回収率を求めておきさえすれば基剤の機能性を評価する上で有用な手法であり、現在は動物用のプローブが市販されているのみであるが、臨床用のプローブの開発により人で経皮適用製剤のスクリーニングが可能であると考えられる。
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