研究課題/領域番号 |
09672221
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
玉井 郁巳 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (20155237)
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研究分担者 |
崔 吉道 金沢大学, 薬学部, 助手 (40262589)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 血液脳関門 / トランスポーター / 担体介在輸送 / ドラッグ デリバリー / 薬物動態 / P-糖蛋白 / モノカルボン酸 / β-アミノ酸 / トランスポート / ドラッグデリバリー / 培養細胞 / 膜輸送 / 脳毛細血管内皮細胞 |
研究概要 |
物質の脳移行性を制御をつかさどる血液脳関門の実体である脳毛細血管内皮細胞(BCEC)に備わるトランスポーターならびに膜動輸送機構に関して分子機構論的解析を行った。本研究によって得られた血液脳関門物質輸送機のは以下のものである。 1) β-アミノ酸輸送系:β-アラニンやタウリンのようなβ-アミノ酸については、内皮細胞の脳側ならびに血液側細胞膜にNa^+イオンおよびCl^-イオン依存的なβ-アミノ酸特異的トランスポーターが存在することが、ウシ脳毛細血管内皮の初代培養細胞を用いた結果見いだされた。 2) 研究代表者等がこれまで報告してきた血液脳関門吸着介在型膜動輸送機構のペプチドデリバリーへの応用研究として、サイズ、脂溶性、荷電状態の異なる誘導体を合成し、至適構造の特徴付けを行った。 3) 乳酸などモノカルボン酸系化合物の血液脳関門輸送に働くことが示唆されていたトランスポーターの実体解析を行った。その結果、研究代表者らが遺伝子クローニングに成功したMCT1がBCEC内に発現しており、機能的にも重要であることを、種々培養細胞、in vivo血液脳関門輸送解析ならびに遺伝子発現測定により明らかにした。 4) 中枢移行性が副作用と関連するキノロン系抗菌薬の中にあって、その副作用がないニューキノロン系抗菌薬HSR-903について、その低移行メカニズムの解析した。その結果、P-糖タンパク、ならびにアニオン性化合物ににより阻害を受けるような実体が不明な排出型血液脳関門トランスポーターによる脳からの汲み出し機構の関与が示された。 以上の研究成果は血液脳関門には物質の脳-循環血液間の物質移行に関わる様々なトランスポーターが存在していることを示すものであり、脳システム恒常性維持機構、ならびに薬物の脳移行性制御戦略に新たな情報と指針を与えるものである。
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