研究概要 |
本科研費により気管上皮細胞の機能に関わる転写因子を同定した.我々が同定した転写因子のひとつは,血球の分化について研究しているDr.Nimerら(Miyazaki et al.,Oncogene,13,1721-1729,1996)により報告されたMEF(myeloid Elf-1 like factor)であることがわかった.我々は,上皮細胞におけるlysozymeの発現調節について調べた結果,以下の知見を得た.1)MEFは他のets family遺伝子よりかなり強力にlysozyme promoterを活性化した.2)MEFは血球細胞だけでなく上皮細胞にも発現しlysozyme promoterのets結合ドメインに結合し,その結合は独自に作成した抗MEF抗体により影響を受けた.3)anti-senseMEFの導入によりendogenousなlysozyme発現が抑制された.4)新たに作成したMEF安定発現株において,lysozymeの遺伝子発現およびタンパクの発現が高レベルであった.5)MEFによる転写活性化は未知の転写因子による増強される可能性が示唆された.
|