研究課題/領域番号 |
09672245
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
田元 浩一 北海道医療大学, 薬学部, 助教授 (50088861)
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研究分担者 |
野地 裕美 北海道医療大学, 薬学部, 助手 (30183552)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ヒアルロン酸 / 慢性関節リウマチ / 滑膜細胞 / 線維芽細胞 / ヒアルロン酸受容体 / シクロオキシゲナーゼ2 / プロスタグランジンE_2 / モノクローナル抗体 / ヒアルロン酸レセプター / プロスタグランジンE2 |
研究概要 |
慢性関節リウマチの関節滑膜細胞(RASC)と正常ヒト線維芽細胞(HDF)のヒアルロン酸(HA)受容体を介するシグナルの性質を調べる目的で本研究を行なった。 RASCの自発的あるいはIL-1α誘発性のPGE2生成反応は高分子量HAで抑制されたが、HAオリゴマーは逆にPGE2生成を誘発した。この分子量の相違によるHAの二相性の効果は、HA受容体を介してCOX2遺伝子の転写を正と負に調節するシグナルが生じる結果であると説明できた。非炎症性HDFではIL-1α誘発性のPGE2生成やCOX2の発現は高分子量HAで抑制されたが、HAオリゴマーの作用は認められないことから、オリゴマーの作用発現には何らかの炎症性シグナルの共存が必要と考えられた。RASCやHDFにはCa^<2+>やMg^<2+>に依存せずにHAと結合する種々の分子量のHA受容体が見出された。新規に作成した8種の単クローン性抗HA受容体抗体のうち、1種のIgG抗体はCD44に、7種のIgM抗体は分子量の異なる複数の膜蛋白の複合体に特異的であったが、COX2発現を抑制する作用はなく、1種のIgG抗体と3-5種のIgM抗体は抗体を反応させるだけでHDFやRASCでのCOX2発現を促進した。したがって、多数の受容体が巨大なHA分子で架橋されるとCOX2発現を負に調節するシグナルが生じ、2-10分子以下のHA受容体が不十分に架橋すると正に調節するシグナルの生じることが示唆された。また、何らかの炎症性シグナルが共存すると、架橋を形成できないHAオリゴマーの結合により1分子のHA受容体を介して生じたシグナルでもCOX2遺伝子の転写を促進すると考えられる。しかし、HAでRASCを刺激した際の細胞内遊離カルシウムイオン濃度の変化やMAPキナーゼの活性化は認められず、HA受容体を介するシグナルがCOX2遺伝子の転写を調節する詳細なしくみについてはさらに検討中である。
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