研究課題/領域番号 |
09672247
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
川嶋 洋一 城西大学, 薬学部, 教授 (80126515)
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研究分担者 |
三浦 裕晃 マルホ株式会社, 中央研究所, 主任研究員
大谷 武司 城西大学, 薬学部, 講師 (90077975)
工藤 なをみ 城西大学, 薬学部, 助手 (10161647)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ペルフルオロ脂肪酸 / 肝脂肪蓄積 / VLDL分泌 / ペルオキシソームβ酸化 / 肝脂質代謝 / 肝残存性 / 尿排泄 / テストステロン / パルフルオロ脂肪酸 / 肝TG蓄積 / 脂肪肝 / 脂質代謝 / 肝腫大 |
研究概要 |
炭素数7〜10のフッ素化(PFCA)についてその生体への影響を顕微鏡下で観察した。炭素数8以上のPFCAを投与すると血清脂質低下作用、肝の腫大と限局性の壊死が認められた。炭素数9,10のPFCAでは肝細胞と腎臓の近位尿細管上皮細胞に脂肪的の貯留が認められるとともに、血清ビリルビンが高値を示した。 炭素数10のPFCAを投与した肝臓では、脂肪酸の合成がやや亢進し、VLDLの分泌が抑制されており、脂質蓄積の原因と考えられた。一方、脂肪酸の分解速度は亢進していた。 PFCAは炭素鎖長によってその作用が異なることが判明した。炭素鎖長の異なるPFCAのペルオキシソーム酵素誘導作用を比較したところ、炭素鎖長の長いPFCAほど強い誘導能を示し、また、雌ラットより雄ラットのほうが強い誘導能を示した。肝臓におけるトリグリセリド(TG)の蓄積量を測定したところ炭素差長のPFCAほど肝TG量が多い傾向があった。肝臓におけるPFCAの残存量を調べると、肝臓のFPCA濃度と肝臓のTG量およびペルオキシソームβ酸化酵素活性のあいだにはPFCAの種類によらず高い正の相関が認められた。したがって、PFCAのペルオキシソーム酵素誘導作用やTG蓄積作用の強さの違いはPFCAの体内(肝)残存性を反映したものであり、作用それ自身は炭素鎖長が異なるPFCA間で同じであると考えられる。マウスにおいてもラットと同様に炭素鎖長の長いPFCAほど肝残存性が高い傾向が認められ、また、ラットよりも残存性が高いことが判明した。 炭素鎖長の短いPCFAはきわめて速く尿中から排泄されるのに対し、C10はほとんど尿中へは排泄されないこと、糞中への排泄はいずれのPFCAも少ないことから、炭素鎖長の長いPFCAほど尿中に排斥されにくいために肝残存性が高いものと考えられた。また、PFCAの尿中排泄は男性ホルモンによって調節されるものと考えられた。
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