研究課題/領域番号 |
09672270
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
手島 玲子 国立医薬品食品衛生研究所, 機能生化学部, 研究員 (50132882)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | IgE受容体 / 好塩基球細胞 / エクトキナーゼ / 情報伝達 / 脱顆粒反応 / Calcium signal |
研究概要 |
平成9-10年度のアレルギー担当細胞である好塩基球細胞の情報伝達に関与するエクトキナーゼの同定並びにその役割の解明に関する研究から下記の知見が得られた。 (1)エクトキナーゼ阻害剤による脱顆粒反応の抑制:細胞非透過性のセリン・スレオニンキナーゼ阻害剤K252bを用いて、培養ラット好塩基球細胞(RBL-2H3)及び人好塩基球細胞からの種々の刺激に伴う脱顆粒(ヒスタミン遊離)反応への影響を調べたところ、IgE受容体の架橋形成に伴う脱顆粒反応のみ用量依存的に抑制することが判明した。(2)エクトキナーゼの解析:RBL-2H3及びマウス骨髄由来肥満細胞(BMMC)上のエクトキナーゼについて、外因性基質を用いて解析を行ったところ、用いた外因性基質の中で、カゼインが最も強くリン酸化され、リン酸供与体として[γ-^<32>P]ATPばかりでなく、[γ-^<32>P]GTPも同程度に機能することが判明した。抗カゼインキナーゼII抗体を用い、細胞膜画分のウエスタンブロット解析を行ったところ、分子量44KDaのバンドが観察され、カゼインキナーゼIIの存在が確認された。さらに、IgE受容体の免疫沈降物中にもカゼインキナーゼIIの存在が確認され、一部IgE受容体と結合して存在することが示唆された。(2)初期シグナルの解析:RBL-2H3細胞からのIgE受容体を介する脱顆粒反応へのカゼインキナーゼII抑制剤の効果を検討した結果、10個のアミノ酸よりなるカゼインキナーゼIIの外因性基質が最も強い抑制効果を持ち、ついで、random GT copolymerも抑制効果を有していた。以上、好塩基球細胞における、カゼインキナーゼIIのエクト型としての存在を初めて明らかとし、IgE受容体を介する情報伝達に何らかの作用を持つことを示すことができた。
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