研究課題/領域番号 |
09672277
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医薬分子機能学
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
向 智里 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70143914)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
|
キーワード | 非プロテイン性低分子 / エリサイター / secosyrin / syributin / syringolide / 全合成 / テトラヒドロフラン環 / Knoevenagel / エリサイタ- |
研究概要 |
植物の防御システム機構である過敏性反応に深く関与している化合物に、無毒性シグナル分子(エリサイター)と呼ばれる化合物群がある.1993年に従来とは全く異なった非プロテイン性の低分子エリサター、syringolideが単離された.また、より単純な構造を持つ、secosyrin及びsyributinが相次いで単離されている.申請者は、syringolideの全合成並びにsecosyrin及びsyributinの最初の全合成を効率よく行うことにより、その絶対構造を含む立体化学を確立すると共に、それら3種の化合物の大量供給ルートの確保及び類縁化合物を数多く合成し、それらの生物活性を検討することを目的として、本研究を遂行した.その結果、以下の成果を得た. 1 D-酒石酸エステルを出発原料として、水酸基の保護、増炭反応、γ-ラクトン環の構築、脱保護を連続的に行い、単環性のsyributin1及び2を効率よく合成し、その構造を確実なものとした. 2 D-酒石酸エステルを出発原料として、三重結合部の導入、更なる増炭反応等によりsccosyrin合成に必要な全ての炭素骨格を構築した.次に三重結合部を対応するアルキン-コバルト錯体とした後、ルイス酸処理を行い、secosyrinと同一の立体化学を有するテトラヒドロフラン誘導体を高立体選択的に合成し. 3 次に化学修飾とスピロ環構築を行い、脱保護後、二環性のsecosyrin1及び2を光学的に純粋な形で合成した.本合成がsecosyrin1及び2の最初の全合成であり、本合成によりsecosyrin1及び2の立体化学が確定した. 4 上記の結果を基にsyringolideを検討し、その側鎖の導入とテトラヒドロフラン環構築まで達成した.現在、更なる化学変換を検討中である.
|