研究課題/領域番号 |
09672286
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
杉林 堅次 城西大学, 薬学部, 教授 (00105834)
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研究分担者 |
夏目 秀視 城西大学, 薬学部, 講師 (40180533)
木村 昌行 埼玉医科大学, 総合医療センター, 講師
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 点滴注射剤 / jet incector / iontophoresis / electroporation / 経皮吸収 / liquid injector / powder injector |
研究概要 |
点滴注射剤に変わる製剤または投与方法として、皮膚透過ルートを拡大したり新規作成する2つの方法論とiontophoresis(IP)の併用効果について検討し、以下に示す結果を得た。 無針圧力注射器(jet injector: JI)と低電圧IPの併用で、モデル薬物であるジクロフェナックとアンジオテンシンの皮膚透過速度は上昇した。また、これらの併用ではJI、低電圧IPのみよりも高い透過性を示した。この併用効果はJIによって皮膚抵抗が低くなったためであった。しかしながら、低電圧IPでは皮膚透過の薬物送達制御が難しく、皮膚に損傷を与える可能性が示唆された。JI処理に加えて短時間の低電圧IP後の低電流IP処理が、皮膚の傷害を抑えて薬物の皮膚透過を改善する最も適切な方法であると考えられた。 Electroporation(電気穿孔法:EP)を150〜300Vで負荷したところ、モデル薬物、安息香酸の皮膚透過性はほとんど改善されなかった。しかし、この適用電圧でもIPを併用することで高い促進効果が得られた。このときに皮膚バリアー中に形成されたporeは、安息香酸自身の皮膚透過性が高いため、ほとんどEPのみで促進効果に寄与しなかったものと考えられた。しかしEPの適用電圧を450〜600Vまで上げてIPを併用すると、相乗的な透過促進効果が得られた。 以上より、JIやEPで前処理を行い、角質層バリアーに小孔を形成させ、これとは全く促進メカニズムの異なるIPを併用することで、薬物の経皮吸収のさらなる改善が可能であることが明らかになった。今回得られた結果は、現在点滴治療に用いられている薬物のみならず、皮膚からの吸収がほとんど期待できずヒトへの適用方法がないペプチドやDNA薬の皮膚適用製剤化のための一歩になるものと思われる
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