研究課題/領域番号 |
09672323
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋本 征也 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90228429)
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研究分担者 |
奥田 真弘 京都大学, 医学研究科, 助手 (70252426)
矢野 育子 京都大学, 医学研究科, 助手 (50273446)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | フェニトイン / 母集団薬物速度論 / CYP2C9 / CYP2C19 / 遺伝的多型 / 非線形体内動態 / P450 / 薬物代謝 |
研究概要 |
我々はこれまでに、フェニトインを対象薬剤として選択し、日本人てんかん患者における母集団薬物動態パラメータを推定すると共に、フェニトインの体内動態におよぼすチトクロームP450(CYP)2C9/19の遺伝子多型の影響を検討してきた。本研究では、患者個別のフェニトイン血中濃度の予測精度を検討することによって、薬物個別投与設計における代謝酵素の遺伝子診断情報および薬物血中濃度情報の有用性を評価した。CYP2C9およびCYP2C19の遺伝子変異の影響を考慮しないフェニトインの母集団動態パラメータに基づいて患者の血中濃度を予測したところ、CYP2C9の遺伝子変異(Leu^<359>)を有する患者では実測値が大きく高濃度側へ偏ることが明らかとなった。一方、CYP2C9/19の遺伝子変異の影響を考慮したフェニトイン母集団動態パラメータを用いた場合、CYP2C9の遺伝子変異(Leu^<359>)を有する患者においても血中濃度の予測に偏りは認められなかった。本研究では、さらにベイジアン推計理論に基づく個別投与設計の精密化について検討を加えた。すなわち、CYP2C9/19の遺伝子変異の影響を考慮した母集団動態パラメータを事前情報とし、患者に対する事後情報として1〜2点の薬物血中濃度データを用いて速度論的解析を行ったところ、患者固有の動態パラメータに基づく血中濃度の予測精度は、母集団動態パラメータのみによる場合に比べ顕著に上昇することが認められた。従って、CYP2C9/19遺伝子診断情報はフェニトインの低代謝能患者の検出に極めて有用であること、また薬物血中濃度モニタリングに基づくベイジアン解析によって投与量の個別化と精密化が期待できることが明らかとなった。
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