研究課題/領域番号 |
09672346
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
林 由紀子 (1999-2000) 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50125407)
池田 久實 (1997-1998) 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90091561)
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研究分担者 |
幸村 近 旭川医科大学, 医学部, 助手 (40261408)
河端 薫雄 (河端 勲雄) 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50195129)
林 由紀子 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50125407)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 血小板 / シグナル伝達 / PKC / アラキドン酸 / CD36 / PUFA / 膜蛋白CD36 / 多価不飽和脂肪酸 |
研究概要 |
池田らは血小板輸血不応者の血小板にCD36欠損を発見した。CD36欠損者の血小板の凝集機能は正常と変わらず出血傾向も認められない。しかし低カルシウム条件下では種々のアゴニストによる凝集能の低下が観察された。CD36の機能として動脈硬化の主要因子である酸化LDLや不飽和脂肪酸の細胞内取り込みなどが報告されている。CD36欠損者は白人種には極めて稀であるが日本人には数%ある。血小板の不適切な活性化は動脈硬化の要因の1つである。そこでCD36欠損血小板を用いて、脂質代謝と関連する血小板機能の解明を目的に、不飽和脂肪酸の血小板シグナル伝達機構への影響を解析した。結果をまとめると 1.様々な生理活性物質を産生するアラキドン酸カスケードの出発物質であるアラキドン酸には血小板凝集阻害効果がある。不飽和脂肪酸取り込み機能を持つCD36欠損血小板ではアラキドン酸によるTxA2凝集阻害効果が正常血小板の25%程度に低下している。 2.さらにアラキドン酸による血小板のTxA2凝集阻害は、CD36経由で取り込まれたアラキドン酸が細胞質内で多価不飽和脂肪酸としての機能を発揮する(カルシウム非依存性にPKCを活性化する)結果であることを証明した。すなわち、カルシウム非依存性PKCが細胞質で膜リン脂質、カルシウムとは無関係にPLCβをリン酸化する結果カルシウム依存性PKCのPLCβによる活性化が抑制されることを示し、初めてシグナル伝達上でのPKCアイソザイム相互の関連性を明らかにした。PKCが持つ矛盾する作用(不可逆凝集での主要な役割を果たす一方で凝集阻害効果を持つ)は、アイソザイムが役割分担する形でおこなわれ、生理的に重要な意味を持つと思われる。
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