研究分担者 |
今村 潤 高知医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (30232614)
安藤 元紀 高知医科大学, 医学部, 助手 (20222789)
RAICU Valeri 高知医科大学, 医学部, 助手 (20304678)
市ノ渡 孝子 高知医科大学, 医学部, 教務職員 (90145152)
竹内 俊二 高知医科大学, 医学部, 助手 (50188158)
渡辺 牧夫 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (00220921)
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研究概要 |
古典的「赤血球沈降速度-赤沈」法に替わりうるより迅速な検査法を開発するために,全血の誘電スペクトロスコピーの利用可能性を検討し,以下の結果を得た. 1.赤沈を左右する最大の要因は赤血球の連銭形成である. 2.連銭形成の強弱は全血の低周波誘電率を測ることにより容易に定量できる. 3.全血中に形成された連銭は強いshear stress依存性を示すから,これを知るために回転数可変のループ状セルを作製した. 4.セルの回転数を段階的に上げると,全血の低周波誘電率は階段状の変化を示して減少し,逆に回転数を段階的に下げると,誘電率は階段状の経過をとって増大した. 5.このような低周波誘電率の階段状の変化は,血液資料の赤沈血とよい相関を示した. 6.以上の結果は「平行板コンデンサー」セルを用いる通常の測定法から得られたものであるが,全く別タイプの「開放端同軸プローブ」方式の誘電測定を実施したところ,上と同様に低周波誘電率と赤沈値との間に,かなりよい相関が成立することを,予備実験で確かめた. 以上の結果から,誘電測定法の活用により血液検査の分野に新しい方向性が見出された.
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