研究課題/領域番号 |
09672360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
上平 憲 長崎大学, 医学部, 教授 (80108290)
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研究分担者 |
前田 隆浩 長崎大学, 医学部, 助手 (40284674)
山田 恭暉 長崎大学, 医学部, 助教授 (60145232)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | Fas / isoform / ATL / HTLV-1 / tumorigenesis / Apoptosis / Fasligand / mutation / AIDS / isofarm / HTLV-I / Aios |
研究概要 |
Fas/FasL刺激伝達系は、基本的な生物現象のみならず腫瘍の発生・除去および免疫性疾患などの病態に深く関与している。このFasを介する腫瘍の発生、進展に関する機序は、1)membrane(m)Fasのdown-regulation、2)mutated mFasのdominant negative作用、3)inhibitoryないしantagonistic functionを持つup-regulated soluble(s)Fasの作用などの三つが考えられる。本研究ではATLを研究素材の対象として1-3)をとりあげ、その実証と実際の病態との関わりを検討した。9年度においては、1)に関連して、ATLの10%はmFasが欠損している為にシグナルが伝達せず、Fas geneの構造異常はなく蛋白への調節異常がmFas欠損の原因と示唆された。2)の分野においては、mFas陽性にも関わらずFasを介する細胞死が誘導出来ない貴重な1例を見いだた。本例では、Fas遺伝子のexon 9 DDに20bpのdeletionが見つかり、結果としてstop codon→aberrant Fasが産生されていることが明らかになった。さらに、このmutant FasをJurkat cellにtransfectして蛋白を発現させたところ、Jurkat cellのwild Fasと腫瘍細胞由来のmutant Fasが発現し、その結果、mutant Fasのdominant negative作用が確認された。3)につてもその機序をATLを研究素材として研究した。即ち、ATL細胞のmFasは通常up-regulateされ、しかもin vitroにおいてアポトーシス高感受性である。しかし、実際のin vivoのATL細胞死から生きながらえ、その結果tumor burdenを増し、患者の予後を悪くしている。この機序の一端は、up-regulated mFasの産生をさらに凌駕するsFasが産生され、これが結果として生体内ではdecoy作用として働いている可能性が示唆された。従って、in vivoにおけるアポトーシスと腫瘍の相互関係は、mFasのみでなくその同位体(isoform)も加味して理解することの重要性が示された。
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