研究概要 |
順天堂大学附属順天堂医院のneonatal untensive care unit(NICU)内でのMRSAの生息状況の実態把握を目的として医療スタッフ(医師7、看護婦21)およびNICU入院患者30例の保菌状況を1995年5月から1999年1月にわたって調査した。検出されたMRSAのgenotypingはパルスフィールドゲル電気泳動法(PFGE)を用いて制限酵素SmalによるDNA切断パターンから相似係数に基づくRFLP解析を行った。同時に薬剤感受性パターンによるphenotypingを行った。薬剤感受性は,vancomycin,oxacillin,ampicillin,cefazolin,cefmetazole,imipenem,gentamicin,minocycline,ofloxacin,clindamycinの10薬剤についてNational Committee for Clinical Laboratory Standards(NCCLS)ガイドラインに従って微量液体希釈法によってMIC値を求めた。 その結果、看護婦17名から21株、医師7名から8株、患者30例から49株のMRSA計78株を検出した。genotypingでは、入院患者1例を除きすべての株が同一のmajor typeに分類され、このmajor typeは6つのsubtypeに分かれた。一方、phenotypeでは4つのタイプに分類された。genotypingの結果より、NICU病棟内での同一起源株に由来するMRSAの生息が示唆された。
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