研究分担者 |
中島 かおり 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (10284663)
高見 陽子 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30304900)
西田 眞壽美 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (70128065)
壇原 いづみ 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20295041)
吉田 恵理子 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (00284638)
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研究概要 |
本研究は,慢性疾患をもつ患者及び家族の退院後の生活に関わる継続的な看護活動の実態として,退院計画のプロセスや患者情報の伝達システム等を調査することによって,病院等における退院計画の一翼を担っている看護婦の役割を明らかにしようとする物である。さらに,退院計画の指針となる退院時アセスメントツールの開発に向けた基礎的資料を得ることを目的とした。 平成9年度に実施したパイロットスタディの結果に基づいて,平成10年度は2段階の調査を実施した。第1に,退院計画の総合的な情報のひとつとして退院時要約に着目し,病院における活用状況について調査を行った。これは,佐賀・長崎・福岡県内の100床以上を有する病院339施設の外科系及び内科系病棟の看護管理職者を対象とした。郵送法による質問紙調査を実施した結果,236施設,406例から回答を得た。44%が退院時要約を患者全員について作成していると回答し,その記載内容については,患者属性や診療情報が多く記載されている反面,患者の生活状況と看護過程に関する記載が少ない傾向を示した。これらは主に看護の継続や申し送りのために利用され,管理・教育的資料としては有効性を認知しながらもあまり利用されていなかった。 第2段として,前記同様に3県内の病院及び老人保健施設の看護管理職者に対し,質問紙調査を実施した。これは退院(所)計画のプロセスを構成する主要内容が病院・施設内の看護業務としてどのように実践されているのか,その認識を中心とした実態調査である。退院(所)計画に関する援助は,病院よりも老人保健施設の方が実施されているという回答割合が高かった。しかし,病院では看護婦が主体となって退院指導を実施するのに対し,老人保健施設では主にソーシャルワーカーを中心とした協働の作業という認識が強いことが示された。
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