研究課題/領域番号 |
09672413
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
看護学
|
研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
DAVIS Anne J. (ANNE.J Davis) 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70291573)
|
研究分担者 |
征矢野 あや子 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (20281256)
鈴木 真理子 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (10281255)
太田 勝正 長野県看護大学, 看護学部, 助教授 (60194156)
小西 恵美子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70011054)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 終末期医療 / 生命倫理 / 看護 / 国際比較 / 看護倫理 / 告知 / ターミナルケア / 看護婦 / 倫理的ジレンマ / 文化 / 価値観 |
研究概要 |
ターミナルケアにおいて、看護婦がどのような倫理的問題を経験し、それをどのようにとらえているのかを明らかにするために、平成9年度と10年度に、日本人看護婦(有効回答者147名)および主としてカナダ/アメリカ(北米)の看護婦(有効回答者99名)を対象とする質問紙調査を行い、文化的、社会的な背景の違いを踏まえながら検討を行った。主な結果は、1)病名告知に関して、日本では、病名は患者ではなく家族に対して告知されているという回答が大部分であったが(84%)、日本の看護婦の23%がそれを非倫理的であると回答した。これに対して、北米の看護婦は全員が患者に対する病名告知が行われていると回答し、その88%が患者に告知しないのは非倫理的だと回答した。2)自分の家族が重篤な疾患に罹ったときには、日本の看護婦の60%は家族への告知を望むと回答し、その理由として主に「身辺整理等の積極的な行動のため」、「家族の絆」、「有意義な生を送るため」などをあげ、「患者の知る権利」という回答は一部であった。これに対して、北米の看護婦は全員が家族への告知を望むと答え、「身辺整理等の積極的な行動のため」とともに「患者の知る権利」が大半を占めた。日本の看護婦のような「家族の絆」という回答は一件もなかった。3)家族への告知に関するこれらの回答から、患者への病名告知に対する倫理的な根拠として、日本の看護婦は「患者・家族への善行」を、カナダ/アメリカの看護婦は「患者への善行」と「患者の権利」を前提としていることが示された。さらに、我が国には、病名等について、患者ではなく家族に知らせるという傾向があり、一見、患者が家族の絆の外に置かれているようにも見えることがあるが、実際には、患者だけが知らないという重い精神的負担を受けながら、必死に家族の絆を保とうとしているという家族の実態も調査結果から示唆された。
|