研究課題/領域番号 |
09680009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
柴坂 寿子 お茶の水女子大学, 生活科学部, 講師 (50221297)
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研究分担者 |
倉持 清美 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (30313282)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 人間関係の変容 / 仲間関係 / 幼児 / 保育集団 / 個人史 / 仲間文化 / 仲間との相互作用 / 仲間についての認識 / 幼稚園 / 人間関係 / 保育 / 行動 / 縦断的観察 |
研究概要 |
本研究では、入園時から卒園時までの歴史を持った人間集団として保育集団を捉え、そこでの仲間との体験の様相を実証的に明らかにしようとした。そのために、第一に、子どもの仲間に対する認識や仲間との相互作用に焦点を当て、それらが保育集団の歴史の中でどのように変容するのかを検討した。第二に、個々の子どもに焦点を当て、それぞれの子どもの個人史を描くことから、仲間関係が保育集団の歴史の中でどのように変容するのかを検討した。主な知見は以下のようにまとめられる。 1.子どもの仲間に対する認識は、入園以降の園生活の体験に基づいて形成され、さらに再形成されていくことが示唆された。 2.仲間との相互作用は、その時々の仲間関係に影響を受けると共に、仲間関係を調整する機能を持つことが示唆され、個人史においても重要な意味を持つと考えられた。 3.個人ごとに量的側面から見た遊び仲間を同定すると、2年間を通じ比較的安定している仲間と、変化する仲間とがいた。また2年間の遊び仲間の変容について、幾つかのパターンが推定された。 4.個人史におけるキーパーソンとしては、(1)よく一緒に遊ぶ遊び仲間、(2)精神的に不安定な時に安全基地になる子ども、(3)仲間関係を広げてくれる子ども、(4)園生活でその子どもにとって「課題」となるような子ども、(5)「課題」への対処方法を示唆してくれる子ども等が同定された。 5.子どもたちは価値観や課題などの仲間文化を共有しているが、子どもたちが仲間文化自体を変化させているような事例が同定された。 小学校以降の比較的固定化した仲間集団と比べたとき、仲間関係や仲間文化は変容するという体験、子ども自身がこうした変容を起こす担い手になるという体験、仲間集団の中から多様なキーパーソンが出現するという体験は、保育集団に顕著な体験ではないかと考えられる。
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