研究課題/領域番号 |
09680024
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
笠井 八重子 岡山大学, 教育学部, 教授 (00112136)
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研究分担者 |
大野 婦美子 作陽短期大学, 家政学科, 助教授 (10176969)
西山 恵 山陽学園短期大学, 家政学科, 助手 (30249544)
小合 龍夫 倉敷芸術科学大学, 教養部, 教授 (40032536)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | コンニャク「のり」 / こんにゃくの物理的特性 / 「のり」の熟成 / 「のり」の静的粘弾性測定 / 自然薯こんにゃくいも / こんにゃくの伝統的製造法 / 飛粉 / 自然生こんにゃくいも / 「のり」の粘弾性測定 / 凝固剤木灰汁 |
研究概要 |
これまでの研究から、こんにゃくの理想とする物性形成の重要な要因の一つとして、いもを粉砕して調製される「のり」の性状が大きく関わっていることが明らかになった。また、笠井・小合による調査から、産地農家ではいもの特質に見合った「のり」を放置熟成させる温度や時間が決められ、「のり」の粘りや弾力のある性状測定の必要性が指摘された。そこで、「のり」の物性を回転粘度計などによる測定における際の回転等による影響を受けずに、粘度と弾力の特質を静的に測定する方法を、大野・笠井によって考案した。この測定法、すなわち、半固体状で、やや流動性を示すコンニャク「のり」を調製できるように、円柱盤に高さ2mmの幅にガムテープを取り付けて、測定時にそのガムテープを瞬時にはずして、線形性範囲の荷重を与えて「のり」のクリープ特性を測る(A)。一方、同様に調製した「のり」の自重による変形を測定する(B)。(A)-(B)のクリープコンプライアンス曲線から「のり」の粘弾性率を算出した。いわゆる、完全にゲル状でないゾルとの中間の物体のクリープ測定を、「のり」を容器に入れないで測定して、正味の粘弾性率を求める可能性を示した。常法として一般に動的粘弾性測定機器でしか求めらないとした物体を静的粘弾性として測定し、粘度の測定では、「のり」の性状を適切に捕らえることができなかった点を明らかにできた。この測定方法を用いることによって、コンニャク「のり」放置熟成温度や時間による性状特性を明らかにし得ることが明らかになった。また、今日、こんにゃくの製造に一般的に広く用いられるコンニャクマンナンのみの精粉「のり」における放置熟成温度及び時間の影響が、コンニャク芋の場合と異なり、「のり」放置熟成条件によるこんにゃくの物性に及ぼす影響は全く見られないのに対して、芋の「のり」では、放置熟成温度によってこんにゃくの物性に及ぼす影響が顕著であり、製造工程での加熱処理が物性形成に密接に関与している。その要因である芋中に含まれる物質、いわゆる「飛粉」の「のり」に及ぼす作用に関しての検討に、本研究で示した測定方法が有効であることを明らかにした。
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