研究概要 |
【目的】 現在食料として利用されていない大豆粕を赤パンカビで発酵させてオンチョムに加工し,食糧に転換すると同時に食品・栄養的機能性の向上を図る. 【結果】 1 大豆粕オンチョムの調製法の確立と食品学的特性 調製法:水分を60%に調整した大豆粕にNeurospora intermedia FGSC 2559の胞子を含むスターターを加えて30℃で18h加温し,胞子が発芽したら,湿度65%,27℃で24h培養する. 食品学的特性:大豆粕をオンチョム化するとホルモール態窒素や水溶性タンパク質や水溶性食物繊維が増加し,オリゴ糖が激減した.この結果から,消化性の向上と鼓腸の危険性の解消が示唆された. 2 ラットによる大豆粕オンチョムの栄養化学的特性 降コレステロール作用の強化:大豆粕オンチョムはコレステロール排泄量を増加することにより,血漿コレステロール濃度を低下させた. 生体内抗酸化作用:大豆粕オンチョムはα-トコフェロールの消費や血漿の過酸化物価上昇を抑制した. 3 大豆粕オンチョムの抗変異原性 大豆粕オンチョムはニトロソジメチルアミンに対し強力な抗変異原性を示した.その抗変異原性活性は水抽出物がメタノール水抽出物より強かった.抗変異原性物質の分子はリン酸,ポリフェノールと五炭糖を含み,分子量は6000以上であった.
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