研究概要 |
この研究の目的は「物理学に関する基本的な概念・術語の形成過程」のうち,特に日本における状況を明らかにすることであった。そして平成12年度は,平成9年度からの目的に沿った一連の研究の最終年度にあたり,今まで行ってきた調査・研究の成果を総括すると共に,その成果を国内外に公開・発表することとした。具体的には,以下の作業を実施した。 (1)今までは,日本における「物理学に関する基本的な概念・術語の形成過程」を中心に調査・研究を進めてきたが,近代科学の形成地であったイギリスにおける状況はどうであったかを現地調査し,研究交流をはかった。 (2)ヨーロッパにおける「熱素説」の日本での受容過程と,それ以前の「日本における火・熱の概念」の状況を明らかにした。そして,この4年間で「日本における火・熱の概念の形成過程」の全容を明らかにすることができた。 (3)そして更に,今まで延べ8年度にわたり,科学研究費補助金の交付を受けて行ってきた調査・研究の成果を総括し,その一部を「公開促進費」の補助により『日本における近代科学の形成過程』として出版・公開することができた。
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