研究概要 |
本研究の目的は,競技におけるストレスマネジメントプログラムをコンピュータ支援によってWWW上で開発することである.またテニスのシングルスのゲーム中における血中のホルモン分泌ならびに心拍数などの生理的変化を不安,体調,ゲームでの心理状態などの心理的指標やビデオから分析されたプレー傾向との関連で検討することである. その結果,次のようなことが要約される. 1)WWW上で学べるサイトとして,テニス選手のための「目標設定のしかた」「心理的トラブルとその対処法」「集中力を高める方法」「人間関係をよくする方法」などを作成した. 2)『心理的トラブルとその対処法ツール』は.心理的トラブル尺度をWWW上で回答させた結果が画面上に5段階レーダーチャート,T得点、診断の言葉,処方アドバイスが示され,トラブル内容に応じた対策の具体例一覧をのぞくことができる. 3)サーブス時のストレス実験において,試合設定と練習設定と比較すると、運動量は変わらないが,試合設定の方が心拍数は15拍/分程度高い値を示した. 4)ゲーム中の心拍数ならびにホルモン分泌に関しては,あくまで事例的ではあるが,個人の特徴が把握できるとともに,対戦相手によるゲーム内容によって影響を受けることが確認された. 今後の課題として,実際のゲーム状況でのビデオ撮影ならびに各種心理検査,内省報告,行動観察により個人に応じたプログラムを作成し,コンピュータシステムと併用させてテニス選手に適用し,そのトレーニング効果を検討する.
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