研究分担者 |
松岡 憲和 (松岡 憲知) 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (10209512)
山田 周二 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80295469)
鈴木 毅彦 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60240941)
高岡 貞夫 専修大学, 文学部, 助教授 (90260786)
三浦 英樹 国立極地研究所, 助手 (10271496)
|
研究概要 |
1.日本列島各地の岩石氷河の可能性のある岩屑地形をリストアップしてマッピングした.それらは,飛騨山脈,明石山脈,北海道大雪山系,日高山脈などに分布する.これらの岩石氷河のインベントリー(台帳)を作成した. 2.岩石氷河の形態を明らかにするため代表的なものについて空中写真による大縮尺地形図を作成した. 3.内部に氷体あるいは永久凍土が存在するかどうかについて明らかにするため,地温センサー・記録計・積雪深計に設置し一年間観測を継続した.さらに,岩石氷河上で電気探査をおこなった.これらの結果,内蔵助カールの岩石氷河の一部では永久凍土が存在することが明らかになり,この岩石氷河はinactive rock glacierであることがほぼ確実になった. 4.ネパールヒマラヤや,ブータンヒマラヤ,スイス・アルプス,南極などで,岩石氷河および周氷河地形の調査をおこなった. 5.岩石氷河の流動のメカニズムを明らかにするために,周氷河環境での凍結現象,凍上現象,クリープ現象についての研究をおこない,岩石氷河の流動メカニズムがあきらかになりつつある. 6.日本列島の岩石氷河は,その形成時代と内部の凍結状態によって3タイプに区分できる. (1)1万年前前後の晩氷期に形成された化石型. (2)数百年前から150年くらい前までの小氷期に形成された化石型. (3)数百年前から150年くらい前までの小氷期に形成された停滞型である.このことから日本の高山帯にはかつて広範囲に永久凍土が存在していたことが明らかになった.
|