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塩類風化によるタフォニの形成過程に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09680182
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 自然地理学
研究機関日本大学

研究代表者

藁谷 哲也  日本大学, 文理学部, 助手 (30201271)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードタフォニ / 剥離物質 / 発達速度 / 塩類風化 / 岩盤温度 / 斜面含水比 / 海水飛沫 / 日本 / 乾湿風化 / 風化作用 / 風送塩 / モニタリング
研究概要

タフォニとは,風化作用によって岩石内部の物質が除去されて生じた小規模の穴状の地形で,乾燥・半乾燥地域や海岸地域などで観察される.従来,タフォニの形成には,風食や波食作用がかかわると考えられてきた.本研究では,海岸地域のタフォニの事例として,松島湾北部(奥松島),房総半島南西岸,および紀伊半島南岸に発達するタフォニを取り上げ,その形成要因,形成条件,発達速度などを現地における通年観測をもとに分析した.
分析は主として奥松島を対象に,1)タフォニの形態計測と剥離物資の粒度分析,2)ペンキ塗布法によるタフォニ内壁の剥離面積測定とタフォニ底に堆積したrock mealの重量測定、3)タフォニの形成にかかわると推測される条件(岩盤温度,斜面含水量,気温,湿度,日射量,卓越風向など)のモニタリング,4)タフォニを構成する岩石の理化学的性質(物理的・力学的性質・鉱物組成・溶出特性)などについて行われた.この結果,タフォニは楕円体を半分に割ったような形態を呈し、汀線からの距離や発達高度が大きくなるとそのサイズが小さくなる傾向を持つことがわかった.また,タフォニの剥離物資はおもに寒候期に多く生産される傾向が認められ,タフォニの発達速度は,10^2〜10^3年であると推測された.一方,タフォニ壁面では,寒候期に塩類(Halite,Bloedite)の析出することがX線解析分析の結果明らかとなった.またモニタリングの結果は,寒候期にタフォニ壁面の含水比が低下し,壁面が乾燥状態にあることを示した.タフォニは沿岸部に発達するため,これら塩類は,海水に含まれるNa^+,Mg^<2+>,Cl^-,SO_4^<2->などのイオンがタフォニ壁面に付着し,乾燥した寒候期に析出したものと考えられた.すなわちタフォニは,壁面に供給された海水飛沫による塩類の析出によって内壁が弛緩し、発達する.

報告書

(3件)
  • 1998 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 藁谷哲也: "タフォニ形成プロセスの測定システム―石巻湾、宮戸島のスタックに発達するタフォニを対象として―"日本大学文理学部自然科学研究所紀要. 34号. 101-110 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 藁谷哲也: "石巻湾西岸部の海食崖に見られるタフォニの発達速度"地理誌叢. 40巻. 77-84 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Matsukura,Y., Waragi,T., and Oguch,C.: "Estimation of growth rates of coastal tafoni in tuff at Oku-Matsushima."Ann.Rep., Inst. Geosci., Univ. Tsukuba. 25号. 19-22 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] WARAGAI, T.: "DATA LOGGING SYSTEM FOR THE FORMATION PROCESSES OF TAFONI IN A COASTAL ENVIRONMENT, ISHINOMAKI BAY, NORTHEASTERN JAPAN"PROCEEDINGS OF THE INSTITUTE OF NATURAL SCIENCES NIHON UNIVERSITY. NO. 34. 101-110 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] WARAGAI, T.: "FORMATION RATES OF TAFONI DEVELOPING ON SEACLIFFS, ISHINOMAKI BAY, NORTH-EASTERN JAPAN"ANNALS OF THE GEOGRAPHY. 40. 77-84 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] MATSUKURA, Y., WARAGAI, T., AND OGUCHI, C.: "ESTIMATION OF GROWTH RATES OF COASTAL TAFONI IN TUFF AT OKU-MATSUSHIMA"ANN. REP., INST. GEOSCI., UNIVERSITY OF TSUKUBA. NO. 25. 19-22 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 藁谷哲也: "タフォニ形成プロセスの測定システム-石巻湾,宮戸島のスタックに発達するタフォニを対象として-" 日本大学文理学部自然科学研究所紀要. 34号. 101-110 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 藁谷哲也: "石巻湾西岸部の海食崖に見られるタフォニの発達速度" 地理誌叢. 40(印刷中). (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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