研究課題/領域番号 |
09680188
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 賢次郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60012506)
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研究分担者 |
SUGAI Yuji
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 空間テスト / 空間認識力 / MCT / イメージ / 図学教育 / コンピュータ・ネットワーク / CAI |
研究概要 |
本研究においては、コンピュータ・ネットワークを用いて心的切断テスト(MentalCuttingTest、以下、MCT)を実施するシステムを開発した。また、これを用いてMCT調査を行い、得られた得点、および、MCT各問題の解答時間のデータについて多変量解析を行い、MCTの評価する空間認識力について考察を行った。 本研究で開発したシステムは、MCT問題をコンピュータ画面上に提示し、被験者にキー操作によって解答させるもので、コンピュータ・ネットワークを使用することにより、通常の紙筆テストでは得ることの出来ない問題毎の解答時間に関するデータを一度に多数の被験者に対して得ることが可能となった。なお、当システムはワークステーション用(UNIX系)、パソコン用(Windows系)の両者を開発した。 上記のシステムを利用し、東京大学教養学部、福岡大学工学部、明星大学理工学部において、理工系1年次生を対象にMCT調査を実施した。被験者総数は約1200名で、ほとんどが男子であった。各問題の解答時間についての因子分析の結果、MCTの解答過程には「イメージ解答過程」および「分析的考察過程」が見られることを示した。また、得点と解答時間についての重回帰分析の結果、高得点者は低得点者に比べ、単純なパターン判別問題については短時間でイメージを生成して解答しており、逆に、量判別問題や高難度のパターン判別問題の一部については分析的考察に時間をかけて解答していることを示した。さらにまた、解答の正誤に関するクラスター分析、および、相関分析により、MCTにおいて評価されるイメージ生成能力と分析的考察能力との間には高い相関があることを示した。これらのことから、MCTは図から立体のイメージを生成する能力を評価するテストであり、そのような能力は図から特徴を抽出しこれに意識的な考察を加えて解答する能力(分析的能力)とも高い相関にあるものと考えられる。
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