研究概要 |
情報化社会と情報処理技術の著しい発達は,非情報処理学科における情報処理演習・教育のあり方に深刻な問題をなげかけている。単なるアプリケーションソフトによるワープロ演習や表計算処理の演習のみで、情報化社会に対応できる本質的な応用性や創造性を育むことができるのであろうか?こうした問題意識のもとに我々は,過去2年間にわたり,企業の情報教育に対する意識調査や,さまざまな教材を作成して情報処理演習を行い,学生の興味,意欲,理解度などを詳細に検討してきた。 本課題において我々は、まずそうした大学の情報教育に対する企業意識の調査とその解析を行った。この結果により,非情報学科出身の学生を受け入れる企業側の情報教育に対する期待と,望まれる情報教育の実体が明らかにされた。また、情報処理演習を受講する学生へのアンケート調査を行い,我々が創意した演習形態にどの程度の理解度を示したのかについて詳細な検討を行った。こうした調査の解析結果を踏まえて我々は,独自の専門分野から,さらに幾つかの情報処理演習に関する教材開発を行った。その結果,情報リテラシーを基盤としつつも,さらに意欲ある学生に対して,特にプログラミング操作を含むVRMLや表計算ソフトと結びついたマクロプログラミングなどのプログラミング教育を取り入れることにより,高度なレベルの演習内容を展開することが可能なことが示された。本課題で作成した複数の応用例は,非情報学科の講義や演習として敬遠されがちなプログラミン教育を活用した画期的な試みであり,今後の情報処理教育・演習における一つの方向性を示すことができたと自負している。
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