研究概要 |
本研究は,ネットワーク環境が導入された学校で,教師のネットワークに対する意識がどのように変化するか,また,ネットワークを利用した教育がどのような背景を持つと推進されるか,という点に関する研究である. 英国北アイルランドの教育機関と共同で,ネットワークを活用しながら学生間交流を行い,その実践をもとに分析を行った. 1. 電子メールやWWW等の利用に際して,教師個人での利用頻度には教師によってある程度違いがあるものの,教育への利用は積極的な教師が多いことがわかった. 2. 教師がネットワーク活用に対して肯定的な意識を持ち,積極的に利用するためには,教師や学生へのサポートシステムが必要であることがわかった.実践校同士が自由に読み書きできるホームページの作成や統一内容での実践など,いくつかの実践を通して教師・学生意欲の向上を試みた. さらに,テクノロジーには初心者であるが,ネットワーク環境を有効に利用することによって教育効果を上げることのできる教師が多いことに着目し,初心者のためのインターネット技術習得のための学習プログラムを開発した. 3. 教師が教育活動の場で,どのネットワークツールを使うのが効果的であったかについて事後評価を行うことと,教師の意識向上との相関についての知見を得た.授業をいくつかの場面に区切り,それぞれの場面で利用したツールの効用を自己評価する方法を提案した. 4. テレビ会議システムなどを使って外国の教育機関と交流をすることに対する意欲は非常に高いが,通信費用が問題となっていることがわかった. そこで,複数の学校が参加してテレビ会議を行う場合に,発生する通信費用をどのように分担するのが望ましいか,という問題について提案を行った.
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