研究課題/領域番号 |
09680272
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教科教育
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
吉田 裕久 広島大学, 教育学部, 助教授 (80108373)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 北海道 / 検定教科書 / 地方版教科書 / 国語教科書 / 北海道国語教育連盟 / 教育出版 / 戦後教科書 / 北海道資料編 / 検定国語教科書 / 小学国語 |
研究概要 |
1 [背景]ーー北海道では、季節・気候・生産物、行事・習俗が本州とは異なることから、常に「北海道には北海道の実状に即した国語教科書を」という切実な要求があった。全国を対象として編纂される教科書ではこの不満は大きく、北海道の教師は北海道版教科書の実現を強く希望してきた。折しも昭和20年代半ば、教科書制度が国定制から検定制に改正され、一教科に複数の教科書が編纂・発行されることになり、北海道の長年の悲願が実現されることになった。 2 [実態]ーー「北海道版検定国語教科書」は、A:28年度、B:29年度改訂版、C:31年度三訂版の三種類(いずれも藤村作・北海道国語教育連盟編、教育出版発行)が編纂・発行された。そのうち、A:昭和28年度版、B:同29年度改訂版は一年生から六年生までの全学年で編纂・発行された(それぞれ13冊)が、C:同31年度新版は三年生までの七冊が発行されたところでそれ以上は発行停止ということになった。折しも教科書採択を巡る教科書問題が国会で取り上げられ、地方版教科書を認めないという政治決断がなされたためであった。が、北海道版の精神は、『標準 小学国語 北海道資料編』(4年〜6年、北海道国語教育連盟編、昭和33年5月、教育出版発行)という三冊の資料集で継続された。その中には、たとえば、「民族童話ーオキクルミ神のあまくだり、月男-」などのアイヌ童話、北海道開拓の基礎を成した「最上徳内」の探検物語、あるいは「手紙ー北海道から東京へ、東京から北海道へー」という近況報告、さらには「北海道をひらいた人-渡辺かねー」(以上、四年)と、地方版教科書が継続していれば採録されたであろう作品・文章が数多く収載された。こうして「北海道には北海道にふさわしい国語教科書」という北海道国語教師の悲願が達成されたのであった。
|